羅府国誠流詩吟会:春季温習大会で熱吟披露―創立70周年記念大会へ士気高める

0

参加者全員による会詩の合吟

 羅府国誠流詩吟会(摺木国正会長)は4月24日、モンテベロのクワイエットキャノンで2011年春季温習吟詠大会を催した。錦龍会からゲスト8人を迎え、国誠会21支部の吟士約130人が熱吟を披露し、来年9月に開催される創立70周年記念大会へ向け士気を高めた。東日本大震災の復興支援の募金活動では1万ドルを捻出し、国誠会の日本連盟に送った。
 会場には東日本大震災の被災者支援のための募金箱を設置し席上、犠牲者に対し黙とうを捧げた。摺木会長があいさつに立ち「大震災で尊い命が奪われ、冥福を祈りたい」と述べ、宮城国誠会のメンバーの安否は15人しか確認されておらず、他を気遣った。

摺木国正会長によるあいさつ

 第二次世界大戦中の1942年、マンザナ強制収容所で発会した国誠流詩吟会。初代宗家の教訓「和を以って貴しと為す」を今日まで脈々と継承する。来年、創立70周年を迎えると同時に2代目荒国誠宗家の襲名15周年を祝う。摺木会長は記念大会へ向けて実行委員会を発足させたことを報告。日本の連盟と連絡を取り合い準備に入ったとし協力を求めた。
 羅府国誠会は、二世週祭や南加詩吟連盟など大きな大会に参加する際の構成吟の代表メンバーを実力で選抜する。そのため、互いに切磋琢磨して会全体のレベルを高めている。摺木会長は、この日の温習会は「70周年大会の構成吟のメンバーに推薦される審査の対象になる」と、会員の士気を鼓舞して「これからも向上心を持って吟道に励んでもらいたい」と望んだ。
 参加者は、福元国彬さんの先導による始まりの会詩合吟から、各部で自分の番がくると朗々と吟詠し日頃の稽古の成果を存分に発揮。錦龍会からは3人が出吟し、交流を深めた。構成吟は、3人の連吟で登場した摺木会長ら5支部からの15人による「西郷南洲」の朗詠。実力者らしく、力強い張りのある声が会場全体に響き渡った。最後は、山下国延師の先導で「富士山」を大合吟し締めくくった。
 新入会員として紹介された城ノ口信子さんは、サンファナンド支部で熊谷国優師の指導を仰いで1年になる。修業段階のため、まだ楽しいとは思わないというが、将来は自作の漢詩を吟じることを目標とする。この大会には、詩吟で鍛えたのどで歌いNHK紅白歌合戦に2度出場したことのある演歌歌手、石原詢子の詩吟を聴いて研究して臨み、宮原南郊作「水仙花」を吟じた。「歌詞を読んで詠うのが難しく、戸惑ってしまった」と初舞台を振り返った。他のメンバーの詩吟をメモを取りながら熱心に聞き「いろんな方が個性豊かに詠い、節調などを学ばせてもらった」と収穫を得て満足の様子だった。
 城ノ口さんは、元若葉日本語学校の教師。教え子の高橋劍さん(ピアース大で東洋学専攻)を同会に入会させた。高橋さんは、漢字と日本史の勉強と、日本の伝統文化が好きである。詩吟の練習は週2回積み、大会は今回で2度目の出場。「緊張せずにとてもよく詠えたたと思う」。詩吟については「漢詩の意味を理解して、表現するのがおもしろい」と、漢字好きらしい感想を述べ、初心者ながら早くも醍醐味を見出していた。【永田潤、写真も】

【写真左】高橋劍さんによる朗吟【同右】城ノ口信子さんの吟詠

Share.

Leave A Reply