7月は本場所として

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 角界の根幹を揺るがし、社会問題となった八百長相撲。十両を中心にしたごく一部の力士によるものとされたが、事の大きさから、大相撲協会は3月の春場所を中止。5月の夏場所も調査が不十分として本場所興行を諦め、無料公開の技量審査場所として代替開催した。
 そしてこのほど、八百長問題の調査委員会が行った「調査、処分、再発防止策」が完了したことを受け、理事長が7月の名古屋場所開催の意志を表明した。
 本場所開催に支障はないものとし「一件落着」に持って行ったが、再発も考えられ予断を許さない。スポーツで、あってはならない八百長は相撲から生まれた言葉。それだけに「本家本元」の同協会は、この言葉を嫌って1度も使うことなく、これまで通りの「無気力相撲」で押し通したことが残念だ。
 今までの数々の不祥事にもかかわらずファンは見放さず、技量審査場所は、従来の本場所と同様に大勢が訪れた。白鵬が横綱の貫禄を見せつけ、史上最多タイの7連覇を達成するなど沸かせ、再起へ向け成果を見せた。相撲界は、この調子を維持してもらいたい。
 異例の今場所は、人気の高い海外でも視聴できるNHKのテレビ中継はなかったものの、取り組みの結果は各メディアのニュースで報道され、相撲の社会的影響力の大きさを思い知らされた。
 そんな力士たちの多くが社会貢献として、東日本大震災の被災地を巡回し、土俵の外でも力を発揮してくれた。無料で一般に公開したが、有料にして売り上げ全額を義援金にしてもよかったのではないだろうか。
 調査委が進めた三本柱のうちの調査と処分は、一定の評価を受けたいう。ここからが大事。再発防止に今後もずっと努めなければならない。
 力士は、一番一番、懸命に相撲を取り続け、ファンの信頼を取り戻すしかない。7月は本場所として晴れて開催してもらい、プロとして懸賞の掛かった力士の真剣勝負のぶつかり合いが見たい。【永田 潤】

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