「華の会」:30周年記念公演を開催、 華やかに壮大な舞台を展開

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「綱館」で立ち回りを演じる若柳久三(左)と若柳彦三衛門

日本舞踊集団「華の会」(若柳久三主宰)は6月23、24日の両日、創立30周年記念公演をトーレンス市のアームストロング劇場で開催した。門下生や日本文化に造詣が深い多くの観客が訪れる中、華やかにそして壮大な舞台を繰り広げた。
 30周年を祝し、日本から特別参加の若柳彦三衛門は口上で、米国で長きに渡り日本の伝統芸能のひとつである日本舞踊を広め、多くの門下生を育てるとともに名取りを輩出してきた若柳久三のこれまでの功績を称えた。
 新名取り披露も同時に行われ、若柳久奈、若柳三珠、若柳春華の3人が紹介された。それぞれは今後も芸の道を極め、日々稽古に精進することを誓い、会場から祝福の拍手が響き渡った。
 

「浅妻船」を舞う新名取りの若柳久奈

舞台は小川けい、若柳吉優亮の「操三番叟」、渡邊花の「菊づくし」、新名取り若柳久奈による「浅妻船」、若柳三珠の「高尾懺悔」、若柳春華の「鷺娘」、桑原光代による「雨の五郎」、若柳久弥、若柳三十郎による「津山の月」、若柳久三・若柳久女の「富士」、木村知子の「八島官女」、田辺綾也実の「大和子守」、ナッシュ富子・日野輝雄の祖母と孫の共演となった「傀儡師」などのほか、最後は堀田紀真の朗読のもと、若柳久三と若柳彦三衛門が「綱館」で舞台に立った。
 渡邉の綱の伯母・真紫に扮した鬼神が(久三)が髪振り乱し、渡邉の綱(彦三衛門)と立ち回りを演じ、彦三衛門の「見得」を切る場面など、豪華な衣装と緊張感みなぎる舞台に観客は見入り、満場の拍手とともに幕を閉じた。
 観客席から師である若柳久三の舞台を見守ったバーバンク在住のヒロミ・ヤマザキさんは1年間、同師のもとで日本舞踊を習い、現在は幼少のころから続けるバレエを教えている。
 米国生まれのヤマザキさんにとって、自分のルーツである日本の伝統文化が自身の中に浸透するにつれ、西洋のバレエとは違う感覚を味わったという。舞台を見終わると、師の演技を「素晴らしかった」と称賛した。

 30周年の節目の年を迎えた記念公演は、「華の会」の命名者で創立当初から指導を仰いでいた長唄の杵屋弥十郎9世家元の追悼を兼ねたもので、「綱館」は弥十郎が得意としていた演目の1つに挙げられている。
 若柳久三は今まで続けてこられたのは、「裏方をはじめ、支えてくれた多くの人々のお陰」と振り返る。60年間にわたり稽古を重ねているが、それでもまだ自身は修業課程にいると位置づける。毎年勉強のため日本に赴き、その都度研究し芸に磨きをかける。それほどまで日本文化は奥が深く、若柳久三の探究心はとどまるところを知らない。
 今後の課題としては、「継続して後輩育成に情熱を注ぐこと。門下生を教え導き、手助けをしていくことが自身の使命である」と語った。 【吉田純子、写真も】

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