やってくれた、なでしこ

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 やってくれた。女子サッカーW杯ドイツ大会で、日本代表が世界制覇という快挙を成し遂げてくれた。決勝戦は劣勢の中、焦らずに持ち前の粘りを発揮して2度も追いつきPK戦の末、死闘を制した。
 日米決戦となった当日は、あいにく二世週祭開幕式の取材のためテレビ観戦の機会を逃した私だが、携帯電話でスコアをチェックする人から状況を伝えられ一喜一憂した。吉報が入ると、狂喜した感情を抑えることなどできるはずはなく、周りの人に自慢げに言いまくった。日系人と優勝の喜びを共有できたことが感慨深い。「おめでとう」と祝福されるつもりでいたのだが、「イエー」「ヤッター」などと叫んだ日系人が同士だということを再確認でき、忘れられない至福の時を過ごすことができた。
 日本は、決勝までの勝ち方もすごかった。逆境の中で、体格に勝る列強を速さと技を駆使して値千金のゴールを決めるなどし、ドイツ、スウェーデンの難敵を連破。「あれよ、あれよ」の勢いは誰にも止められず、世界の頂きに登り詰めた。金字塔に世界が絶賛。歓喜の渦の中の表彰式でのはじける笑顔は、胸に輝く金メダルと同じくらいまぶしく印象的だった。
 これまで、日の目を見ることはなかった日本女子サッカーだけに、凱旋の帰国では熱烈歓迎に選手は驚いたそうだが、もっと盛大に祝ってもよかったのではないか。東日本大震災の被災地をはじめ、列島を熱狂させ国民に勇気を与えてくれたヒロインたちだからだ。21選手には町や市、県でそれぞれの栄誉賞を贈る方針だが、国民栄誉賞を即決してもらいたい。
 代表チームの愛称「なでしこ」は、公募で2004年のアテネ五輪の際に名付けられたそうだ。本来の語義は、清楚な日本女性を指していうが、代表選手は、たくましすぎて何かしっくりこない。なので、「逆境下でも臆することなく、目標に向かって頑張る日本女性」などと、新しい意味を辞書に付け加えてもいいだろう。それくらいのことをやってくれた。【永田 潤】

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