アニメ・エキスポ:北米最大、10万人の人出―コンテストやワークショップも

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アリゾナから参加したコスプレーヤー6人組。左から2人目がヘッドストリームさん、4人目がホセンポバさん

 日本のアニメや漫画を紹介する北米最大の「アニメ・エキスポ」が1日からの4日間、ロサンゼルス・コンベンションセンターで開催され、10万人を超す人出で賑わった。20回目を迎えた今年もメイン会場に加え、各会場ではコスプレコンテストやワークショップ、レクチャーが開かれアニメ界のさらなる発展を目指して真剣に話し合った。

コスプレでバレに扮するホセンポバさん

 「コスプレ」(和製英語でコスチューム・プレー)と呼ばれ、お気に入りのアニメやコンピューターゲームのキャラクターの衣装に身を包み、ヒーローやヒロインになりきる参加者が多く、場外にも溢れた。自らを「OTAKU(オタク)」と胸を張るコスプレーヤーは、凝ったコスチュームに刀や手裏剣、甲冑を身につけるなど本格的だ。他の参加者からの写真撮影のリクエストにお決まりのポーズで決め、無数のフラッシュを浴びて快感に浸っていた。
 コスチュームは市販されているものでは満足せず、日数を掛けて手作りする参加者がほとんど。メインキャラクターのみならず、相手役や脇役など他のキャラクターを引き連れたグループの参加が多い。アリゾナ州のテンピとメサから来た同州立大に通うなどの男女6人組も自慢の手製の衣装で登場した。
 6人は、ロールプレイングゲームのオーディン・スフィアを選びコスプレを披露。パリス・ホセンポバさんは「かわいくて強い女性のキャラクターが好きなのでバレに決めた」と述べ、主役になりきった。グエンドリンに扮したカラ・ヘッドストリームさんは、コスプレの魅力を「普段はおとなしく、内向的な性格の自分だけどコスチュームを着た途端に社交的になる。他のオタクともすぐに友達になることができる」と説明し、交流を楽しんでいた。
 会場には、ガンダムやポケモン、マリオブラザーズ、キティ、ファイナルファンタジーなど、多種の作品が紹介された。ブースでは、ビデオやコミックブック、ポスター、キーチェーン、Tシャツなど各種のキャラクターグッズが売り出され賑わいを見せた。

携帯電話で手軽に楽しむことができる電子漫画書籍

 その中でNECは、日本で4月からサービスを開始した電子漫画書籍を米国で初めて紹介した。アンドロイドの端末を利用し、日本語の漫画を英訳したコンテンツを提供する。利用者がアプリケーションをダウンロードして漫画を購入し、その都度課金されるシステム。その特徴は、従来の紙の書籍のようにかさばらず、携帯電話に収めることができる上に、紙、印刷、運送などコストを省くことができるため、エコの観点からも注目を集めている。メモリーカードの容量を増やせば、何百冊もの収納が可能という。
 NECのネットマート事業部主任の矢治裕茂さんは「どこでも、読みたい時に時間を選ばずに利用してもらえる」と、その利点を強調する。参加者から「紙の漫画本のように指でページをめくる感覚で読むことができておもしろい」と好評を得て、米国での売り込みに手ごたえを得たようだった。同社は今後、電子漫画書籍の販売をフランスを皮切りに欧州各国、アジアに展開する。現在の端末はアンドロイドに限定されているが、アップル社など他社製品にも対応してサービスの拡大に努めるという。
 日本政府は、総領事館と国際交流基金、政府観光局の三者が協力したブースを出した。観光局は原発事故後の日本の観光地の安全性をアピールし、国際交流基金は同基金が制作した日本語学習ビデオのアニメキャラクター「エリン」の入ったポスターなどの配布に努めた。
 国際交流基金ロサンゼルス日本文化センターの伊藤美佐子所長は、日本のポップカルチャーを愛する若者について「ありがたい。この日のために一生懸命お金を貯めて来てくれた」と敬意を表す。「アニメを通して日本人の精神性や繊細さ、自然に対する優しさなどを知ってほしい」と希望。「異文化を正しく理解するには言葉から」と原語でのアニメ鑑賞を力説し、参加者に日本語の学習を熱心に勧めていた。【永田潤、写真も】

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