カーマゲドン狂想曲

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 16日の週末、53時間の予定で行なわれたサンディエゴ・フリーウエーの架橋解体工事。全米一の交通量を抱えるフリーウエーを10マイルも閉鎖するため、周辺道路の大混乱が懸念され、「Carmageddon」になると大騒ぎ。
 しかし、終わってみれば交通量は通常の65%で、付近住民は「静かな週末を過ごせた。これなら、毎週 Carmageddon があってもいいくらいだ」と言うほど。事前に執拗に出された「閉鎖中はなるべく外出を控えるように」という警告が、遠くサンフランシスコ方面にまで徹底していて、当局の大告知作戦は功を奏した。
 顧みれば、1984年のロサンゼルス・オリンピック開催のときも、市内の交通はマヒ状態に陥ると騒がれた。しかし、競技会場の熱気をよそに、街なかはいたって静かで、交通当局は拍子抜け。
 危機対策の専門家によると、「ロサンゼルス地域の住民は、地震や山火事などの警告に日ごろから敏感で、当局の指示に素直に従うように習慣づけられている」とのことだ。
 ところで、耳慣れないCarmageddon という言葉は、世界の終末を表すArmageddon(日本語表記ではハルマゲドン)と交通大混乱を引っ掛けた造語。ただし、週末の大工事と世界の終末の「しゅうまつ」は偶然、発音が一致しただけで、特別な意味はない。
 Carmageddonの回避に一役買った架橋の解体工事請負会社は、もし作業が遅れて閉鎖時間が長引けば、一時間当たり7万2000ドルの違約金を課せられていた。そのためでもあるまいが、工事は当初の予定より17時間も早く終了。請負会社はそのご褒美として30万ドルのボーナスを受け取っている。
 「工事が早く済んだおかげで、人件費が70万ドル浮いたためボーナスを払っても40万ドル節約できた」と当局は得意顔。だが、もともとの53時間という見積もりが正当なものだったのか、気にはなる。仕事人は、請け負った仕事を完全に遂行して当たり前。工事契約を巡り、よもや談合があったとは思いたくない。
 それはさておき、大きな事故も、交通地獄もなく、工事が無事に終了したことはよしとする。11カ月以内に同所で第二期工事が行われる予定で、次回もCarmageddon回避なるか、注目だ。【石原 嵩】

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