日本代表パティシエ:菓子作りのコツを伝授、復興支援イベントに140人

0

2012年度の「パティシエ国際コンクール」に出場する日本代表チーム(右から上村マネジャー、藤田さん、妹尾さん、小野林さん、加藤代表)と佐藤さん夫妻


ストロベリーショートケーキのスポンジ作りのデモンストレーションをするシェフパティシエの藤田さん


 2年に一度米国内で行われ、世界の強豪が競う菓子の世界大会「パティシエ国際コンクール」(World Pastry Team Championship)の2012年度大会に出場する日本代表チームが11日、トーレンスのミヤコ・ハイブリッドホテルでその腕前を披露した。代表パティシエは会場に集まった140人に手作りスイーツを振る舞い、日米における材料の違いや菓子作りのコツなどを伝授するとともに、日本代表チームが総合優勝した昨年のコンクールの模様をDVDで紹介した。
 同イベントは、2008年に栃木県知事から「とちぎ未来大使」に任命された佐藤芳江さんが、東日本大震災復興支援として主催、主旨に賛同したミヤコ・ハイブリッドホテルが会場を無料提供し実現した。同イベントの収益は、全日本洋菓子工業会を通じ、被災者支援に使われる。会場には、南加宮城県人会の米澤義人会長も出席し、主催者および参加者らの善意に礼を述べた。
 この日、最高級のケーキを振る舞ったのは、来年の大会へ日本代表として出場が決まっているクラブハリエ・シェフパティシエの妹尾徹也さん(大阪府出身)、同シェフショコラティエの小野林範さん(滋賀県出身)、ヒロコーヒー・シェフパティシエの藤田浩司さん(大阪府出身)の3選手。ショートケーキやムース、ロールケーキ、パイなど、全10種類のスイーツを振る舞った。

会場で配られた日本代表チームが作ったケーキ


 チーム一行は、アリゾナ州で行われた米国代表予選を視察後、イベント前日にロサンゼルス入りし、その足で材料の買い出しとビバリーヒルトンホテルのキッチンで下準備に取りかかるなど、限られた時間と環境の中で製作した。
 日本代表チームのマネジャーを務めるCSMジャパン(株)の上村究さんは、「東北を支援したいのはもちろん、このように知らない土地で時間や材料などすべてが限られた中でケーキ作りをすることは、大会を来年に控えた選手にとっていい経験になる」と、イベント参加を快諾した理由を述べた。
 3選手による実演では、妹尾さんがベリーヌ・トロピカルを、小野林さんがアグリュームを、また藤田さんがストロベリーショートケーキの作り方をそれぞれ実演。日米では材料の素材に違いがあるといい、違いに合わせた作り方のコツを伝授。参加者はトップパティシエからのアドバイスに真剣に耳を傾けた。
 ガーデナ在住の出川有希子さんは、復興支援と知らずに参加したというが、「主旨を聞いて一石二鳥だと思った」と話した。また、8カ月になる修悟くんと参加したトーレンス在住の坪井史子さんは、「抹茶ロールのスポンジがしっとりとしていて、味が緻密」といい、アメリカではなかなか出会えない繊細な味だと感動していた。
 友人に誘われ来場した小東京在住の余田道子さんは、「アメリカにお菓子の世界大会があることを初めて知ったが、(2メートルという巨大な)お菓子を作る方の苦労に感動した」といい、日本代表チームの作った繊細なケーキに舌鼓を打った。
 
日本代表チーム
「狙うは優勝のみ」
チームワークは完璧

 

イベントを前にケーキ作りに励む上村マネジャー(手前)とシェフショコラティエの小野林さん


 来米する前に小野林さんらと福島県と宮城県の避難所を訪問し、手作り菓子を配ってきたという妹尾さんは、ニュースで見聞きしていた以上にいまだ厳しい状況が続く被災地の状況に言葉を失ったという。しかし、「被災者の方が笑顔で召し上がってくれる姿に感動した」と話した。
 大学卒業後、1年間のフリーター期間を経て未知だったお菓子の世界に入ったという妹尾さん。12年が経ち、お菓子作りを通じて人の役に立てる今の仕事に誇りを持っているという。
 来年の世界大会へ向け、3選手のチームワークは完璧といい、「3人とも下積みが長く無名な雑草上がりのパティシエなので、努力を積み重ねてきての今があり、そこは世界のどのチームの選手にも負けない。狙うは優勝のみ」と、来年への強い意気込みを語った。
 イベントを主催したとちぎ未来大使の佐藤さんは、企画してから当日まで3週間しか時間がなかったにもかかわらず、140人もの人が集まったこと、また多くの人の協力があったことにあらためて感謝した。
 「パティシエ国際コンクール」とは、2年に一度米国で行われるお菓子作りの世界大会。3人一組で各国の代表が2日間13時間をかけて2メートルを越えるあめ細工とチョコレート細工、10種類以上の菓子を製作して競われ、世界で最も過酷な菓子のコンクールとして知られている。
 日本は、元帝国ホテルシェフパティシエの加藤信さんの指導、そしてサウスパサデナ在住の日本人キュイジニエ佐藤了さんの支援のもと第一回大会から参加し、昨年、初の総合優勝を飾った。
【中村良子、写真も】

日本代表チームのケーキを堪能する参加者。(左から時計回りに)長谷川麻美さんと澄ちゃん、出川有希子さん、坪井史子さんと修悟くん

Share.

Leave A Reply