空港での検査:拒否した日本人女性逮捕「全身透視はがん発症の恐れ」

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 アリゾナ州フェニックスのスカイハーバー空港で14日午後、コロラド州ロングモント在住の日本人女性、宮前ゆかりさん(61)が運輸保安局(TSA)の女性検査官の左胸をつかんだとして性的暴行の容疑で逮捕された。
 弁護人によると、宮前さんはセキュリティー検査の際、一度に大量の放射線を浴びる全身透視検査はがんを発症させる恐れがあるとして拒否。通常の金属探知機の検査を希望したが断られ、近づいてきた大柄の女性検査官に恐怖を感じ、本能的に検査官を押し返したという。
 駆けつけた警察官によってすぐに逮捕されたが、警察官が到着するまで口論は続いていたという。その後マリコパ郡刑務所に一時身柄を拘束されたが、翌15日早朝には釈放された。検察当局は性的暴行などの重罪には該当しないとして、軽犯罪に当たるかどうか調べている。宮前さんは翻訳の仕事をしており、毎週コロラド州とフェニックスを行き来していた。
 事件後、交流サイト「フェイスブック」には「宮前ゆかりに無罪を」という支援ページが作られ、全身透視検査に反対する人々から、宮前さんの行動を勇気ある行為として支持するコメントが多数投稿されている。これまでに4000人以上がお気に入り登録し、カンパを募るページもできた。弁護人によると1000ドル以上が集まっているという。
 現在、テロ対策のため全米78カ所の空港に計約500機の全身透視検査が導入されているが、衣服の内側を透視する検査手法はプライバシーの侵害に当たるとして反発の声が相次いでいた。ある市民団体は違憲として検査中止を求める訴訟を提起。首都ワシントンの連邦高裁は今月、「違憲性はない」としたが、TSAに対し「検査導入前に国民の意見を募るべきだった」と指摘した。
 TSAは20日、全身透視検査の際に搭乗客のプライバシー保護をより一層強化するため、画像処理ソフトを改良すると発表。新たなソフトでは、下着の下に隠した危険物を探知する能力に変化はないが、検査官が見る画面には搭乗客の画像でなく、一般的な人の輪郭が映される仕組みになっている。今後各空港で、順次ソフトを改良していくという。 

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