表千家同門会南加支部:本部派遣講師迎え講習会、一般から教授者まで茶の湯の精神学ぶ

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「濃茶」の実技指導をする渡辺潤家元教授(右端)。水屋は井上順一助教授


講習の模様は会場スクリーンにも映し出され、出席者の理解を深めた


 表千家同門会米国南加支部(伊藤ルイス支部長)は19日から21日までの3日間、本部派遣の渡辺潤家元教授(宗匠)、井上順一助教授を迎えて茶道講習会、講演会、総会をトーレンス市のホテルで開いた。
 講習会の初日は教授者を対象として教本の「水屋」を渡辺宗匠が講義し、午後は実技で「数茶」と「茶筅飾り」を学んだ。2日目は資格者対象の実技「初炭」「茶通箱」と講義、3日目は一般講習で実技「濃茶」「後炭」「薄茶」を学習した。
 21日は午後から支部総会を開き、渡辺宗匠による講話「33回忌を迎えた即中斎家元」について、表千家の歴史を辿りながら詳しい解説が加えられた。その後、全員で記念写真に納まり、講師歓迎晩さん会に移った。
 南加支部の宮崎マック名誉顧問が、会員の健康と支部の発展を願って乾杯の音頭をとり、伊藤支部長が両講師の懇切丁寧な指導にお礼の言葉を述べ、感謝の意を表した。また半田俊夫南加日商会頭、小阪博一日米文化会館芸術部長、それに9月8日に本省帰任が決まった伊原純一総領事がそれぞれ「日本文化を大切にし、楽しみながら自身を向上させていくという姿勢に感銘する。茶道には日本人の美意識が凝縮されており、アメリカでその継承と普及に努力していることに敬意を表したい」との趣旨のあいさつがあった。
 9年前に続き2回目の講師を務めた井上助教授は、アメリカに来たのだからと英語でのスピーチに挑戦。茶の湯講習について用意した原稿を読み上げる。途中で多少つっかえるなど、学校の英語授業を思い起こさせる部分もあったが、ご愛嬌。最後までしっかり読み上げ、会場から大きな拍手。

価値ある袱紗と短冊をもらえるとあって、じゃんけんゲームにも力が入る


 派遣講師は5年ぶり5回目という渡辺宗匠は、先きの大震災で同門会の20人が犠牲になったことを報告するとともに、南加支部をはじめとして各地から寄せられた義援金に感謝の言葉を述べた。さらに日本から持参した千宗左家元好の袱紗と、不審菴理事で同門会の久田宗也専務理事の最後の直筆となった短冊が、出席者全員によるじゃんけんゲームの勝者にプレゼントされることになり、袱紗は半田俊子さん、短冊は奥田美恵子さんが手中にし、幸運を喜んだ。
 食後のエンターテインメントには、昨年の晩さん会で好評だったジャズ演奏が組まれた。日本の伝統文化・茶道の対極に位置しているともいえる4人編成の生バンドがジャズの即興性を生かしたリズムを奏で、茶の湯とジャズという異色の取り合わせが会場に新鮮な感覚を呼び起こす。アンコールの声がかかり、晩さん会はエルビスで賑やかに締めくくられた。
 両講師は講習会の前日、ロサンゼルス入りし、伊藤支部長らとともに総領事館、南加日商、日米文化会館、羅府新報社を表敬訪問。ロサンゼルスでの講習後は、サンフランシスコ、ハワイでの講習会へと向かった。   【石原 嵩】

羅府新報社を表敬訪問した(前列右から時計回りに)渡辺潤家元教授、井上順一助教授、伊藤ルイス南加支部長、田中まりえ書記、金山ひろみ事務局長

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