「しあわせ運べるように」

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 地震にも/負けない/強い心をもって/亡くなった方々のぶんも/毎日を/大切に/生きていこう/傷ついた「ふるさと」を/もとの姿にもどそう/支えあう心と/明日への/希望を胸に/響きわたれ/ぼくたちの歌/生まれ変わる/「ふるさと」のまちに/届けたい/わたしたちの歌/しあわせ/運べるように
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 95年の阪神淡路大震災で被災した神戸市内の小学校の音楽教師、臼井真さん(51)が作詞、作曲した歌が、東日本大震災の被災地でも「鎮魂と希望のシンボル曲」になっている。
 震災で自宅が全壊し、避難生活をしていた臼井さん。テレビで思い出の残る神戸の街が無残に倒壊してしまったのを見て、鉛筆を握った。10分で出来上がった。
 避難所になっていた学校の体育館で教え子たちと歌ったのは、震災から1カ月たった2月27日。心を込めて歌う子供たちに、大人たちも加わり、歌声は体育館の高い天井に響き渡った。その後、04年震災に見舞われた新潟県山古志村でも歌われた。海外では03年大震災に襲われたイランのバムという町でもペルシャ語で歌われた。
 東日本大震災の被災地で歌われるきっかけとなったのは、今年4月9日、神戸市内の公園で開かれたチャリティー・コンサートだ。指揮はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団でタクトを振ったこともある佐渡裕さん。演奏は、小学校低学年から高校3年までの全国からオーディションを経て選ばれた「スーパーキッズ・オーケストラ」。市内の小学生たちが伴奏に合わせて合唱した。会場に集まった1000人を超える聴衆の中からはすすり泣きが聞こえたという。
 歌声は録音され、CDブックになった。ただちに東北の被災地に届けられた。
 「この歌は、不思議な歌なんです。ピアノ伴奏で早いテンポで歌うと、『がんばるぞ』という希望の歌に。オーケストラの演奏でゆったりとしたテンポで歌っていくと、『亡くなった方々への荘厳なレクイエム』に聞こえるんです」(CDブックを企画・制作した高橋克佳アスコム社長)
 印税は全額、東日本大震災支援のために寄付される。【高濱 賛】

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