教育予算の行方

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 以前お金の使い方で「米国人が投資するのは安全と教育」と聞いたことがある。銃社会アメリカでは「安全は買う」という意識が高い。教育はどこの国でも重要視されているが、世界有数の教育機関が揃う米国も然り。子どもの将来、そして国家の明暗はいかに優秀な人材を育てるかに大きく左右される。
 しかし近年の財政難から教育予算は削られ、加州でも州立大学の学費は上がり続ける一方。州内学生よりもさらに高い学費を払わなければならない留学生の親は悲鳴をあげている。「親のすねをかじりすぎたー」と嘆く留学生の声を最近ではよく耳にする。
 そんな中、加州のドリームアクト法案のひとつで州政府からの学資援助の申請を不法移民にも許可する法案が1日、加州上院議会で承認された。近く下院議会でも審議される。7月には民間からの学資援助を許可する法案が承認されたばかり。
 不法移民への州政府の学資援助に関しては「誰にでも平等に教育の機会を」と賛成の声もあるが、反対意見も多数。高い授業料が払える留学生の入学枠が増え、学費が安い州内学生の枠が少なくなったことから、自身の子どもへの入学枠が減らされ不満が募る親は、税金が不法に入国してきた学生に使われるのは不条理だと反発。
 また留学生など正規に入国してきた学生に対する学資援助が少なくなるのは理に適ってないとする批判の声も高い。
 誰にでも平等にチャンスを与えてきた移民の国アメリカならではの発想だとは思うのだが、ただでさえ緊縮財政を強いられ教育予算が削られていく現状の中で優先順位をはき違えられていては州民や正規に入国してきた留学生が泣く。まず先にしなければならないことがあるのではなかろうかと思ってしまう。
 つい先日、フレズノ郡教育委員会のラリー・パウエル教育長が自身の給与を現在の年間25万ドルから3万1020ドルに大幅削減することを申し出た。これにより同郡には3年間で83万ドルの教育予算が組み入れられることになる。
 同氏の好意が無駄にならないよう、教育予算が有効に使われることを願うばかりだ。【吉田純子】

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