JCHA:6看護学生に奨学金、日本語通じる医療施設促進

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桜井医師(中央)と奨学金受賞者の冬木さん、熊谷さん、川崎さん、ピチャードさん、神崎さん、鈴木さん


あいさつするJCHAの会長、桜井医師


 日系社会の医療分野にボランティアで奉仕する医師や看護師、医療関係者らで構成される非営利団体「日系医療協会」(JCHA、会長=桜井フレッド医師)は18日、活動資金集めを目的とした昼食会と、バイリンガル看護師を目指す看護学生6人への奨学金授与式をトーレンスのミヤコ・ハイブリッドホテルで催した。
 JCHAは、米国内の医療現場で言語の壁から生じる日本人患者の不安を和らげる目的で、日本語の通じる医療施設の普及に努める。あいさつに立った桜井医師は、「医療の現場で言語は重要な役割を果たす」と述べ、日英両語を話すバイリンガル看護師を目指す看護学生へ奨学金を続ける意義を述べた。
 JCHAによる奨学金授与は今年で21年目を迎え、奨学金を受けた学生は68人に上る。
 今年の受賞者は、鈴木絵里子さん、神崎桂子さん、ピチャード智佳さん、川崎涼子さん、熊谷マークさん、冬木枝実さんの6人。ステージ上で桜井医師から記念の盾と奨学金が授与されると、6人はJCHAへの感謝の気持ちと、看護師を目指す思いを日英両語でそれぞれ語った。
 カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に通う鈴木さんは、「人助けがしたい」との強い気持ちから、水文地質学の研究者としての仕事を辞め、看護師の勉強を始めた。今後は主にICUの勉強を中心に行い、人助けの手伝いができるように努力したいと意欲的に話した。
 日本の聖路加病院で看護師として働いていた神崎さんは、外国人患者のケアにあたった経験から、医療の現場でも言語や文化の違いを理解することが重要であると認識し渡米、バイリンガルの看護師を目指し現在勉学に励む。卒業後に日系社会で看護師として勤務できることを心待ちにしている。
 グレンデール・コミュニティー・カレッジで日々勉学に励むピチャードさんは、思いやりのある看護師になるため、在学中から多くの人とかかわり、経験を積みたいと意欲的に述べ、将来は患者一人ひとりのニーズに応えられる看護師を目指していると話した。
 友人の闘病生活を心身ともに見守る中、ビジネスの世界から医療の世界への転身を決意、サウスウエスト・カレッジで看護師の勉強をしている川崎さん。現在は、桜井医師のもとで研修もこなし、日々の業務、また患者から多くを学んでいるという。
 和歌山県出身の両親を持つ2世の熊谷さんは、大学卒業後ビジネスの世界へ入ったが満足できず、エルカミノカレッジで勉強をし救命士として働き始めた。その経験から人助けの素晴らしさに魅了され、看護師を目指し再び勉学に励む。将来はERや小児科での勤務を希望している。
 日本で生まれハワイで育った冬木さんは、祖母が日本で看護師をしていたことから医療の世界に興味を持ち、バイオラ大学の看護学校で勉学に励んでいる。現在実習している病院でも、日本語を話す患者のケアを担当した経験があり、将来は日系社会で日本語を生かした看護師になりたいと話した。
 JCHAは1985年、日系社会の医療分野に奉仕することを目的に設立された非営利団体。同バイリンガル看護師養成奨学金授与の他に、日本語で無料の医療相談や医療セミナー、前立腺がん検査などを行い、毎年200人近くの人が利用している。さらに、原爆被爆者の健診支援や東日本大震災へのボランティア医師、看護師派遣の呼びかけなども活発に行っている。
 昼食会では資金集めのためのオークションが行われたほか、食後は東日本大震災発生後に結成された「チューリップス・イン・ハーモニー」による演奏が披露された。
【中村良子、写真も】

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