日米文化会館:小林鷹さんが個展―芸妓を「うつやかに」写す

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日米文化会館で個展を開いている写真家の小林鷹さん

 日本で活躍する広告写真家の小林鷹さんが5年間にわり京都の芸妓、小泉(こせん)さんを撮影した個展「うつやか」(京ことば=美しい、しなやか)を日米文化会館のドイザキギャラリーで開いている。展示は23日まで開催される。
 小林さんは、自動車や化粧品、証券、国土交通省、ビール、時計など日本の大企業数社をクライアントに持つ。各社の商品とともに、マリナーズのイチロー選手や明石家さんま、本木雅弘、矢沢永吉など多くの著名人を撮る定評のあるアーティストである。

個展の来場者にサインする小林さん(左)

 小泉さんを撮るきっかけは、小泉さんが属するお茶屋に衣装を提供する京都の呉服問屋の依頼で着物を撮影したことから。撮影後に、小泉さんが芸を披露した。数寄屋造りの座敷で、三味線と小唄に乗って小泉さんが華麗に舞う。「桃源郷のような別次元にいるようだった」と独特の雰囲気に酔った。「写真に撮り、記録に残したいと思った」
 小泉さんは当時、あどけなさの残る16歳の舞子。21歳になった今は、芸と教養を身につけた一人前の芸妓となり接客する。成長を見続けた小林さんは「徐々に『うつやか』になっていった」と振り返る。
 小林さんは、明治時代の女性をイメージし作品作りに取り組んだ。お腹を突き出したり、帯を解いた姿など伝統に縛られないモダンなポーズをリクエストした。しかし、伝統を重んじる京都。小泉さんを世話するお茶屋のお母さんからは当然「あきまへん」と何度も叱られた。だが、作品の出来映えに信頼を得て、1年に2、3度の撮影を5年間続けた。
 個展に出した作品は、舞妓と芸妓、美人画からなる計23点。「余分なものを取り払った」といい、すべての背景は真っ白で着物とモデルを引き立たせている。顔の大写しを除くとすべて全身をとらえているのが特徴。掛け軸に仕上げた写真は和紙に、その他は光の反射を抑える好みの紙にプリントした。914センチ×160センチなどと大きく引き伸しても高い画質を保っているのは、高画素数の中判デジタルカメラを使用しているため。
 小林さんは、芸者を紹介した米映画を評して「うわべだけが描かれ、誤解を招く」と残念がっている。芸妓は4、5年間の修業期間を経てデビューし、その後も夜のお座敷のために毎日、トレーニングを重ねていることを強調。個展を通して「芸妓のライフスタイルを感じ取ってもらいたい」と希望する。
 ギャラリーの開館時間は火から金曜日が正午から午後5時まで。土日が午前11時から午後4時まで。月、祝日は休館。
 入場無料。問い合わせは、電話213・628・2725。
 www.jaccc.org
【永田潤、写真も】

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