「99%」のクリスマス

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 民主党系のシンクタンク発表によると、1979年から30年間で、富裕層上位1%の所得は224倍、上位0.1%に限れば390倍に増加した。下位90%の所得増加はわずか5%だ。「富める1%」に対し、「われわれは99%」という合言葉が広がり、経済格差に不満を持つ人々がニューヨーク・ウォール街、ロサンゼルス・ダウンタウン、オークランドなどで大規模な抗議活動を行ったのは記憶に新しい。年明けからの社会保障税の増税は23日になんとか回避されたものの、大半の「99%」にとっては依然厳しい状況だ。
 日本では3・11に襲った東日本大震災によって、約2万人が犠牲・行方不明となり、多くの被災者はまだ仮設住宅住まいで、復興事業はまだ始まったばかり。福島原発の廃炉も前途多難だ。
 復興に向けて募金、物資支援などに多くの人が携わり、また現在も現地のニーズを見極めながら活動を続けている。
 遠い東北で起こった地震が関東にも及び、特に首都圏は大混乱に陥った。災害はいつどこで起こるか予測がつかないことを痛感した。
 世界中に広がる不況、自然災害などの影響でクリスマスを思うように過ごせない人が多い中、たとえ「99%」の1人であっても屋根がある家で過ごせ、食べ物があり、着る物があるというのはとても幸せなことだ。
 経済環境が悪化しているとはいえ、慈善活動を続けている人は数多くいる。米国郵政公社による慈善プロジェクト、「オペレーション・サンタクロース」は約100年の歴史がある。恵まれない子供たちがサンタ宛に書いた手紙を受け取った個人、企業、団体がそれぞれ秘密のサンタになって彼らの願いを叶えるというもの。ニューヨークの34丁目にある中央郵便局が始まりで、昨年は50万通のうち、4万通に書かれた願いが叶えられた。今年は昨年より厳しい経済状況から約100万通の手紙が届くと予測されている。
 助け合い、絆、思いやり。いずれも来年はさらに必要になってくる。
 個人でできることは少なくても、たくさんの思いが集まれば大きな力になるのは言うまでもない。【下井庸子】

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