JRA日本食の祭典:多種の料理や地酒を一堂に―日本料理研究会・三宅会長が初視察

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長い行列ができた焼き鳥のブース

 「米国日系レストラン協会(JRA・波多野勲会長)」は多種類の日本食と地酒などを一堂に集めた試食・試飲会「日本食の祭典」を13日、キョウト・グランドホテルで催し、約1300人の参加者が食欲の秋を堪能した。日本料理研究会会長の三宅洋子氏が初視察しJRAの取り組みを認め、さらなる日本食の普及にエールを送った。
 毎秋の恒例イベントは、今年で12回目を迎えた。庶民の家庭料理から富裕層の懐石など高級料理を揃えるラインナップで、幅の広さを誇る日本食。会場には、人気のすしに刺身、地酒、そば、うな丼、天ぷら、焼き鳥、ラーメンなど多くのブースが並び、どれも長い行列ができる盛況ぶり。

大きなマグロの切り身を刺身に下ろす波多野勲会長

 試食・試飲に加え、すしをテーマにした職人による料理コンテストと、一般参加者による40フィートの長巻きずし作り、早食い競争が催された。熟練の職人による240ポンドのマグロの解体ショーも披露され、エンターテインメント性に富んだ催しで会場は大いに沸いた。
 波多野会長は大勢の来場者と在LAの15カ国の総領事の参加に胸を張り「これだけ多くの人と違った人種が日本食を好んで食べてくれるのはうれしい。体に優しい(健康的な)日本食が認められた証拠」。さらに、イベント開催にあたり食品メーカーの全面協力が得られたとし「業界が一丸となって取り組んでいて頼もしい」と述べた。
 料理研究会会長の三宅氏は来秋、JRAの要望でロサンゼルスで催す予定の「包丁式」と呼ばれる儀式を執り行い、その打ち合わせのために訪米した。食の祭典を視察し「活気があってびっくりした。きれいでおいしそうに作っていて感心した」と称賛。JRAの諸行事をよく知っており、衛生セミナーについては「日本食は生ものを多く使うので、衛生管理と切り離せなく、普及と同時に進めている」と高く評価した。
 波多野会長によると、包丁式(四条流)は天皇に料理を献上するために、職人が不浄とされた手を食材に触れることなく、金箸と包丁だけを使いタイまたはコイを捌(さば)くという古代にのっとった神聖な儀式。この包丁式が日本料理の礎とされていて、現在は料理人の衛生管理など料理に対する心構えの習得や原点を見詰め直すために行われているという。式では平安時代の装束に身を包んだ庖丁人(料理人)が、輪切りにした切り身を桜の花びらのように美しく盛りつける。

人気を呼んだ八海醸造の地酒試飲

 包丁式の開催は、波多野会長の念願だった。「滅多に行われない珍しい儀式で、板前の襟を正すために1度見てもらいたかった。天皇に料理を出す気持ちを味わってもらいたい」と説明。日本から庖丁人と介添人2人を招き、厳かに行いたいとしている。
 JRAは日本から最新の盛り付けや料理を取り入れようと、同研究会に加盟して1年半が経つ。波多野会長によると、ロサンゼルスの料理人の99パーセントは当地で料理を覚え、他方の日本で修業した板前は1パーセントにしか過ぎず、質の低下を問題視する。そのためJRA会員が講師となった料理講習会を年に2、3度開き、業界全体のレベルアップを図る意向を示している。
 今年の食の祭典は3年続け、食文化の全米普及という目的を同じとする「JFCA(Japanese Food Culture Association・雲田康夫代表)」との共催だった。JRAは、JFCAが来年1月29日にユニバーサルシティで催すイベント「日本食と酒」に協賛する。【永田潤、写真も】

すしコンテストの競技者の作品

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