2011年も残すところあと数日。今年も涙と笑顔が交差する1年となった。3月11日に発生した東日本大震災では多くの尊い命が失われ深い悲しみに襲われた。ロサンゼルスをはじめ世界中で支援活動が行われ、国籍を問わず多くの人から送られたエールはきっと被災者の心に届いたことだろう。
 なでしこジャパンの優勝も忘れてはならない。サッカー日本女子代表が接戦の末、世界一の栄誉を勝ち取った。日本中が歓喜したこの勝利は震災後の日本に元気を与え、その勇姿にわれわれは希望の光をみた。
 米国では、年々悪化する景気後退から、1%の富裕層と99%の貧困層の経済格差に抗議するデモが各地で起こり、タイム誌が毎年選ぶ「今年の人」には、デモに参加した「抗議者」が選ばれた。
 こうした不景気にもかかわらず、今年のクリスマス商戦の小売店の売上げは軒並み好調だったという。しかし年末に多発するのが、置き引きなどの窃盗犯罪。買い物袋を車に置いたまま出かけてしまうと、窃盗犯が窓を壊して品物を奪い去っていく。
 犯罪の防止に一役買うのが防犯カメラだが、つい先日、ロサンゼルス市警察(LAPD)とローカルビジネスグループが設置した防犯カメラのほとんどが、過去2年間も作動していなかったことが明らかになった。さらに故障したカメラは修理されず、放置されたままだったという。
 小東京に至っては、設置された防犯カメラ6台が一度も電源すら入れられておらず、LAPDの監視局に映像が送られていなかったことが判明した。
 今年は小東京で高齢者を狙ったひったくり事件が連続して発生し、防犯に対する心構えを再認識した人も多かったはず。カメラが一部始終をおさめていれば、犯人逮捕の手がかりになる。警察は市民の安全を守るため全力を尽くすべきだ。
 2012年はより安全な1年を送れるよう、また読者のみなさまにとって素晴らしい飛躍の年となりますよう心よりお祈り申し上げます。【吉田純子】

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