困難になる奨学金受給

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 2012年も始まり、今年の抱負を胸に新たな年を迎えた人も多いのではないだろうか。新年の決意は見事達成されることもあれば、気が付けばいつしか忘れ去られていることも。有言実行は難しい。
 加州のジェリー・ブラウン知事も18日、州政府の1年間の基本方針や政策を示す施政方針演説を行った。92億ドルの財政赤字に直面する加州では、いかに赤字財政を解消するかが焦点となっている。
 演説の中で知事は、増税で緊迫した州財政を立て直すと訴えていたが、もし11月に行われる住民投票でこの提案が承認されなかった場合は教育予算が削減されることになる。
 現在までも加州の教育現場では公立学校の教員解雇、州立大学の授業料値上げや無給休暇日数の増加などが行われ、失業率11.1%という不景気の中、学費を払う学生や親たちからの悲鳴は増すばかりだ。
 こうした中、救いとなるのが奨学金制度だが、ブラウン知事は12年から13年にかけての予算案の中で、追い打ちをかけるように州政府の奨学金の申請基準をあげることを提案した。
 UCの学生に1万2192ドル、CSUで5472ドルを支給する「Cal Grant A」の申請基準はこれまでのGPA3.0から3.25に、低所得家庭の学生に1551ドルを支給する「Cal Grant B」の基準はGPA2.0から2.75に大幅に引き上げられる。これにより、3月2日に締め切りを迎える来年度奨学金の申請ではおよそ2万6600人の学生に影響がでるとされ、不景気の中、学生の助けとなるはずの奨学金受給が今後さらに困難になると予想されている。
 日系社会でも多くの団体が奨学金制度を設け、優秀な日系子弟に支援の手を差し伸べている。たとえ資金の捻出が困難でも、「目標に向かって頑張る若者はコミュニティーの誇り」だとして応援を続けている。
 ブラウン知事には今年、一刻も早く加州の教育現場の改善を図り、学生が満足して学べる教育環境を整えることを実現させてほしい。【吉田純子】

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