羅府国誠流詩吟会:春季温習大会に120人集結

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摺木会長(左端)から紹介を受ける今年入会した新会員の田和典子さん(左から2人目)と飯田真理子、悦雄夫妻

 羅府国誠流詩吟会(摺木国正会長)は6日、モンテベロ市のクワイエットキャノンで春季温習吟詠大会を開催した。21支部からおよそ120人の吟士が参加し、日頃の練習の成果を披露。新会員3人の紹介も行われ、9月2日に予定している70周年記念大会に向け、気持ちをあらたに練習を重ねることを誓い合った。

構成吟を締めくくった吟歴70年の大東国岬総師範

 あいさつに立った摺木会長は、「会員の団結をさらに強め、大会を成功させたい」との思いを会員に訴えかけ、同会を後世に残すためにも今後のさらなる発展を願った。
 この日は無号、誠号、国号、練士、教士、範士、師範の吟詠のほか、70周年記念大会に向け、構成吟「羅府国誠流詩吟会70年の歩み」と「国誠流詩吟の原点」が披露された。
 先代宗家の出身地である福島県会津に思いをはせて吟じられた佐原盛澄作の「白虎隊」のほか、2007年に沖縄支部が設立されたことを受け、第二次世界大戦の沖縄戦での悲惨さを伝える「姫百合の塔」(唐岩泰堂作)など、国誠流ゆかりの地にちなんだ吟題が組み込まれた。また02年には男性会員より女性会員の人数が上回ったことを受け、女性吟士憧れの「静御前」(頼山陽作)も吟じられた。
 今大会には新会員3人の姿もあり、先輩吟士たちに紹介された。サウストーレンス支部に所属している飯田悦雄、真理子夫妻は、今年2月から詩吟を始めた。悦雄さんが退職したのを機に「コミュニティーとのつながりをさらに深めていきたい」との思いで教室に通い出した。
 

元田東野作「中庸」を吟じた同会最年少の馬場国晃さん

「もともと興味があった漢文を学ぶことができて楽しい」と語るのは悦雄さん。教室では上手な先輩吟士に囲まれ、和気あいあいと和やかな練習風景だという。
 「人生で人前に立つのは今回が始めて」という真理子さんは、緊張しながらもひとつの詩を吟じ終えた充実感で、表情にも明るさと笑顔が溢れていた。
 誠和支部に所属している田和典子さんは、以前から詩吟に興味を持っていた。友人に誘われ教室に行ってみると「先生の吟詠にしびれた」。1月から習い始め、今では気付くと複式呼吸の練習をしているという。「いつもは三日坊主だが、詩吟は続けられそう」と意気込みを語った。
 同会は第二次世界大戦中、初代宗家がマンザナー日系人戦時転住所で設立。見渡す限りの荒野の中、鉄条網の柵に囲まれた敷地内で、当初15人ほどの吟士が集まり、シエラネバタ山脈に向かい、力の限り声を振り絞って吟じていたのが始まり。
 次第に吟士の数は増え、終戦を迎えると、米国だけでなく、日本、カナダ、ブラジルなどにも支部ができた。
 長い歴史を歩んできた同会には若い吟士の姿もある。マリナ支部に所属する大学生の馬場国晃さん(21)は6歳の頃から詩吟を始め、現在は教士の称号を持つ。「詩吟の世界は経験を積むにつれて深い吟じ方になっていく」とし、それを探求することが醍醐味のようだ。「これからも細く長く続けていける趣味として続けていきたい」と力を込めた。【吉田純子、写真も】

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