ローザ・パークス・フリーウエー

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 よく利用する10号線のフリーウエーは、フロリダまで続く。つまりアメリカ大陸を横断する。
 始点であるサンタモニカからダウンタウンに向かって東方面へ走ると、いきなり渋滞が始まりイライラしてきた。するとウエスト・ロサンゼルスあたりで「Rosa Parks Freeway」と書かれた表示が見えた。
 彼女のことは知っていたが、その晩帰宅後、詳しく調べてみた。
 1955年にアラバマ州モントゴメリーでの出来事だ。ローザは、百貨店からの仕事を終えて公営バスに乗車中、白人に席を譲るのを拒否したため逮捕された。人種によって公共施設の利用を禁止、制限した法律があった。白人と黒人をふくめた有色人種を区別するいわゆる人種差別法だ。
 白人専用および優先座席を「立つ必要がない」と主張する彼女の勇気ある行動がきっかけで、黒人によるバスのボイコットが始まった。彼女は当時42歳。人種差別は違法だと控訴。1956年に違憲の判決。公民権運動がさらに活発になった。1964年に公民権法が制定され事実上の人種差別が廃止された。
 自分は1983年19歳の時、アラバマ州に留学していた。憧れのアメリカに来られたことが嬉しくて、正直なところ、差別問題までは頭が回らなかった。
 しかし、振り返ってよくよく考えると、差別が廃止になったのもそんな遠い昔ではない。「フェアな精神」という理想を抱いていたアメリカにも、根深い人種差別問題が残っているのを理解するようになり愕然した。
 アメリカには敬意を表して名付けられた通りや公園、学校や街までもたくさんある。これはとても素晴らしいシステムだ。われわれは過去の遺産から学び理解し、現代、そして未来のために、よりよい社会を形成していかなければならない義務がある。
 その日、LAでの渋滞は多少は無駄ではなかった、と思えてきた。【長土居政史】

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