加州世論調査:莫大な総工費を懸念

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 2008年の住民投票で承認されたカリフォルニア州の高速鉄道計画に関する最新の世論調査が発表され、加州有権者の55%が、同計画を行うか否かを問う住民投票を再び実施すべきだと答え、再び行われた場合、59%が同計画に反対すると答えていたことが分かった。
 同計画は総工費680億ドルをかけ、最新の技術を駆使し時速220マイルでサンフランシスコとロサンゼルス間を結ぶ鉄道計画。08年に90億ドルの州公債発行が住民投票により承認された。
 当初は州民からの賛成の声が多かったが、約426億ドルと見積られていた総工費はおよそ倍の985億ドルまで膨れ上がり強い批判が出たため、今年4月にはジェリー・ブラウン加州知事が総工費の大幅削減と期間短縮などを組み込んだ修正案を発表した。
 同鉄道計画は農業地帯が広がるセントラルバレーを通るため、同エリアの1500エーカーの農地と農業関連企業150社にダメージを与え、安全面などにも悪影響を及ぼすとして、マデラ郡とマデラ、マーセド両郡の農業連合は1日、サクラメント郡上級裁判所に計画の暫定的差し止めを求める訴えを起こした。
 このほか学校や教会、地元ビジネスオーナー、土地所有者からも同計画への反対の声があがっている。
 当初から同計画に賛成の意向を示していた民主党支持者からも、再び住民投票で計画の是非が問われた場合、「反対する」と答えたのは47%、賛成は43%だった。共和党支持者は76%が反対、南加地区では67%の有権者が反対と答えた。
 また鉄道が開通しても、69%が「利用しない」と答え、「1週間に1回以上利用する」と答えた人は0%だった。さらにサンフランシスコとロサンゼルス間を行き来する際、「飛行機や車より高速鉄道を利用する」と答えた人はわずか33%だった。
 深刻な財政難に直面する加州では、赤字予算の解消を目的に教育関連予算や各種公共プログラムが削減されている。こうした事態を受け、専門家は「当初は鉄道計画に賛成していた有権者も莫大な総工費がかかる同計画が、加州にほんとうに必要なのかどうか疑問視しているのではないか」と分析する。
 調査は慈善家からの寄付により設立された南カリフォルニア大学(USC)Dornsife校とロサンゼルスタイムズ紙が、有権者登録をしている加州民1002人を対象に、5月17日から21日までの期間に行った。  

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