奉仕の日・イエール大学の場合

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 イエール大学卒業生は、毎年5月の第2土曜を奉仕の日と決め、世界中で一斉に奉仕活動に参加する。LA各地でもホームレスの人々への食事のサーブ、公園の清掃、食料品の仕分けなどの地域活動に参加した。私の出身校もその主旨に賛同して昨年からジョイントしている。
 前日には参加者の交流会があり、大学からは経済学部教授も来て、援助金はどのように使われた時に最も有効か、というスピーチもあった。例えばアフリカで小学校を造った時のこと。せっかく学校ができたのに登校率はたったの7パーセント。なぜ? 原因を探る。
 A校では登校した子供に制服を支給してみる。B校では食事を。C校では虫下しを。飛躍的に登校率があがったのは…C校。劣悪な生活環境で汚れた水を飲んでいる子供たちのお腹には回虫がいる。いつも気分が悪く学校に行く元気がない現実がつかめた。井戸を掘るだけでは十分ではない。その水を浄化する薬品もいる。医薬品の支給が第1のステップ、という報告。教授と聴衆との熱心な質疑応答が続いた。
 そして、いよいよ奉仕日。サンタモニカのFood Bankに行った。
 巨大な倉庫にすでにたくさんの食料品が集積されている。各地で人々から寄付された食料品である。大きなトラックがまたやって来てさらに荷を下ろす。膨大な食料品の山に圧倒される。
 バレルに詰め込まれた雑多な食料品を缶物、ソフトパックのもの、ビン物などに仕分けする。想像以上に大変な作業だ。
 老若男女60人余りが作業開始。終えなければならない量に圧倒されてくじけないように作業に没頭する。用意した軍手が非常に役にたった。単純作業でも一生懸命働いてしまうのは日本人のDNA。3時間後には山の一角が片付いた。体はガタガタだが、流れる汗に塩っぱい達成感もあった。
 生きてゆく日々には与える側、受ける側、自分がいつどちら側になるとも知れない。それが生きる面白さでもある。どちら側になっても小さな行為の背後の大きな世界を想像し、理解しようと努める姿勢を持ち続けたいと思う。【萩野千鶴子】

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