孤独から救う働きも

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 治療が確立されていない疾患NF(神経線維腫症)と闘う女性を取材した。新生児3000人に1人が診断されるほど発症率が高いにもかかわらず、あまり知られていない疾患だ。
 NFは進行性の遺伝疾患で、体に腫瘍や色素斑ができるもの。腫瘍のできる場所やその大きさによって、体や骨の変形、がん発症、失明、聴力障害などを併発し、NFの種類によっては学習障害もある。
 家族にNFの人がいなくとも、遺伝子の突然変異による発症もある。人種、年齢、性別に関係なく起こる疾患で、現在NFと診断された人は世界に200万人以上いるとされる。
 「治療法が未開発」「原因不明」「診断された患者数が極端に少ない」などといった疾患は、米国内に約7000、また日本政府が特定疾患にしているのは約130ある。
 聞いたこともない病名を突然告げられ、不安にならない人はいない。NFの彼女も、すぐにネットで疾患について調べた。すると、腫瘍で顔が変形してしまった人など、目を覆いたくなる写真がスクリーンに映し出され、とてつもない不安に襲われた。
 そんな彼女の不安を救ったのは、同じくネットで発見したNFと闘う人のための支援グループだ。そこには、同じ境遇の人同士が支え合い、疾患に関する最新情報を交換。「ひとりじゃない」と思えたという。
 疾患の影響で自宅を出られない人や、他州に住んでいる人であれ、ネットを通じてなら十分に交流や情報交換が可能。これら支援グループが彼らを孤独から救い、少しの安らぎを与えているのは間違いない。
 米国内であれば、NORD(National Organization for Rare Disorders)、日本であれば難病情報センターなどで、疾患や医師の情報、支援グループの有無や活動内容など貴重な情報を得ることができる。
 近年、SNSなどでの中傷問題や、匿名であることから起こるネットの有害性など不安要素ばかりが取り上げられているが、このような重要な働きをしていることも忘れてはならない。【中村良子】

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