浄土宗北米開教本院:800年大遠忌法要を開催

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浄土宗福岡雅楽会による雅楽奉納

 小東京の浄土宗北米開教本院で26日、法然上人の800回目の命日にちなんだ「宗祖法然上人800年大遠忌」記念法要が行われた。日本から浄土宗総本山知恩院門跡第88世、伊藤唯眞門主を迎え、仏教法話や舞楽と雅楽奉納、子ども健康成長祈願が行われ、信徒や一般の参加者などおよそ300人が、法然上人が説いた念仏の教えをあらためて学び、平和を願う一日となった。

龍頭を模した舞仮面と華麗な衣装を身にまとって踊る舞楽「蘭陵王」

 1133年に現在の岡山県で武士の子として生まれた法然上人は、9歳の時に父を敵の夜討ちで亡くした。「仇を討ってはならない。憎しみの連鎖を断ち、僧侶となって菩提を弔ってほしい」との父の遺言のもと、15歳で比叡山に登り僧侶となった。1175年、43歳の時に「南無阿弥陀仏」を称え自己の内省、非暴力を実践する念仏行をもとに浄土宗を開教。以来、800年以上の時を経て現代にその教えは伝えられている。
 仏教法話を行った有本亮啓師は、諸行無常、諸法無我、涅槃寂静から成る仏教の教え「三法印」を説き、「悟り」についても分かりやすく説明した。
 続いて浄土宗福岡雅楽会による舞楽と雅楽奉納が行われた。仏教との関わりを保ちながらおよそ1200年の歴史を持つ雅楽の演奏が始まると、参加者たちは静寂な会場に響く音色に一身に耳を傾けていた。
 龍頭を模した舞仮面と華麗な衣装を身にまとって踊る舞楽「蘭陵王」も披露され、その迫力ある舞に来場者は圧倒されながら見入っていた。
記念法要で導師を務めた伊藤唯眞門主は、東日本大震災が発生した際、ロサンゼルスから日本へ、多大なる支援の手が差し伸べられたことに対して感謝の言葉を述べた。
 また「ロサンゼルスにも信仰の尊い歴史が脈々と続いてきた」という実感を噛みしめるとともに、「一人ひとりの心、家庭、地域そして世界の平和を念じる法然上人の教えが米国の人々にも伝わり、精神面にも浸透していってほしい」と語り、念仏を唱えることで民族の違いを超えて平和がもたらされることを願った。

子ども健康成長祈願を行う伊藤唯眞門主(右)

 伊藤門主の法要の中では、子ども健康成長祈願も行われた。子どもたち一人ひとりのつむじに阿弥陀様の智慧の水を授け、「強い子に育ってほしい」という願いを込めて行う儀式には、檀家の子息のみならず、日本人家庭や日米の家庭の子どもたちも参加し列をなした。
 今年75周年を迎えた同宗北米開教区の豊岡鐐尓宗務総長は、「ヨーロッパの経済危機や、中東の政治不安など、われわれの生活を脅かしかねない現象が続く不確実性の時代に必要なのは『信仰の心』である」と訴え、「法然上人の念仏の心を通して、福祉活動が今後さらに活発になり、地域社会にも貢献していきたい」と力を込めた。
 佛教大学ロサンゼルス校アカデミック・アドバイザーでペパーダイン大学の名誉教授でもあるグレン・T・ウェブ博士による記念講演も開催され、法然上人の念仏と世界平和への貢献についての話を聞く機会も設けられた。
 この日の法要にはかつて和歌山県で有本亮啓師の法話を聞き、ロサンゼルスで再び聞けると知り、遠くフィラデルフィアから足を運んだ人もいたという。参加者はみな手を合わせ「南無阿弥陀仏」を称えながら、法然上人の念仏の教えをあらためて振り返る1日となった。【吉田純子、写真も】

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