白内障の手術

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 5月の18日に右目の、23日に左目の白内障の手術を福岡の病院で受けた。
 経過は実に良好で、手術を受ける前の不便さや不快さはいったい何だったのだろうと自問してしまうぐらいに明澄な視力を回復した。
 いや、回復というのは正確な表現ではない。60歳代の半ばの水晶体は、白内障を病んでいただけではなく、それなりに曇ってもいたとみえて、人工水晶体を通して目に入ってくる世界が手術前に倍するほどに明るいのだ。
 これで、たとえば、雨が降りしきる暗い夜道での車の運転が、若かったころと変わらないぐらいに楽になるに違いない。ありがたいことだ。
 白内障が進行していくあいだに困ったことはかずかずあったが、その第一は読書がほとんどできないことだった。右目に濃い霧がかかったような状態では、本を長い時間にわたって読むことができなかったのだ。その気力がわいてこなかったのだ。
 だから、25日に左目のガーゼもとれてからは、福岡の兄の書棚にあった中から数冊の本を選んで立てつづけに読んだ。至福とまではいわないが、おそらくは1年半ほどは縁がなかった読書ができる喜びを、久しぶりに、そうしてたっぷりと味わい楽しんだわけだ。
 病院の看護師の一人によると、白内障の手術をうけるのは70歳以上の男女が大半で、わたしのような60歳代は少数なのだそうだ。ただ、若ければ若いほど、水晶体がやわらかいので、手術に手間と時間がかからないということだった。
 たしかに、わたしの場合は、両目ともに10分間ほどで終わったはずだ。平均では15分間ほどかかるといわれているから、手術台に乗っている時間が5分間は短かったということになる。いや、別に怖がっていたわけではないが…。
 白内障をすっかり治してもらったことで、医療への信頼がわたしの中で急に大きくなっている。【江口 敦】

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1 Comment

  1. 江口さん、始めまして。どこに書いて良いのか分からずここに書きます。場所が違ったらすみません。届く事を願っています。 本日のコラム読みました。慰安婦問題の事です。 先日は小沢氏のの事も
    ここに切り取っておいてありますが全く同感しております。国は面子もありましょうが謙虚に自省し、表明も必要です。いじめの無くならないのも大人の責任です。私は政治も歴史も分かりませんが
    常識、良識には気を配りたいと思っています。私と同じ考えの人がこの仕事をする人におられて
    気分がよいです。これからもどしどし胸のすく記事をよろしくお願いします。
    どうぞお体大事にこれからも頑張ってください。ありがとうございます。

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