好みに合った温かいお茶や冷茶を勧め、とらやのようかんを販売するビバリーヒルズのグリーンティースト
 京都・宇治や静岡など日本産の質の高い緑茶を扱う専門店「グリーンティースト」がビバリーヒルズのビバリー・ヒルトンホテル内で営業し、健康志向などの地元富裕層や日本人の愛飲家から支持を受けている。お茶の入れ方の実演・指導を行う上に、茶会用の抹茶や茶道具、老舗の和菓子店「とらや」のようかんも取り揃えるなど、日本文化の普及にも力を注いでいる。【永田潤、写真も】
お茶の入れ方を教えるアン・ディアス・ゼネラルマネジャー
 グリーンティーストは、約40年の経験を持ち国際関係を扱う弁護士で、日系2世の関法見社長が、「アメリカ人においしいお茶を飲んでもらい、日本文化を知ってもらおう」と、イリノイ州シカゴ近郊のレイクフォレストに1号店を4年前にオープンさせた。
 2軒目のビバリーヒルズ店は、2年前に営業開始。宣伝は、さほど行っていないというが、商品とサービスの質の高さが口コミで広がり、常連客には「隠された秘密の場所」として評判を呼んでいる。同ホテルでは、ハリウッド映画スターなどセレブリティーが参加するプレミアなど、さまざまなイベントが催されるため、お茶の味の分かるそれらの人が多く来店するという。
 扱う茶葉は、前出の産地のほか、茶所の鹿児島、福岡、佐賀から厳選。煎茶、抹茶、ほうじ茶、玄米茶、茎茶、玉露、八女茶、嬉野茶など、25銘柄の豊富な品揃えが店の自慢だ。健康志向のベジタリアンやビーガンのために各種のオーガニックもある。すべて空輸され、品質管理は温度を一定に保つティーセラーを備えて鮮度を保つ徹底ぶり。
 商品は、最高の土壌と気候で手間ひまかけて栽培されているとし、高級感を前面に押し出すことで他との差別化を図る。「ワインのボルドー」などと同様に、お茶の名産地としての京都・宇治や静岡の名を浸透させブランドのイメージ作りにも努めている。とらやが業務提携を結ぶ唯一の正規販売店として指定されている。
店内には、急須やお茶専用の魔法瓶、専門書を並べている
 落ち着いた雰囲気の店内は、ゆっくりと寛ろぐことができる空間が広がる。試飲では、おいしい飲み方を教え、スプーン単位でお茶の葉の量を決め、お湯の温度、蒸らす時間を計る。「お湯の温度は、特に気を使う」という同社ゼネラルマネジャー(GM)のアン・ディアスさんは「お茶の葉は、とてもデリケートで、熱すぎるとおいしくなくなってしまうものもあるから」と説明。「お茶は、季節、気温、料理などに合わせて、温めたり、冷やしたりして楽しんで飲むことができるのが特徴。また、自分の好みと、その折々のムードに合わせても飲んでもらいたい」と希望する。また、お茶の甘みや苦みなどの味の他、それぞれの銘柄は香りが異なりアロマ効果があるとし、リラックスすることができると強調する。
 茶筅や茶杓などの茶道具、お茶専用のドイツ製魔法瓶、緑色のお茶がよく見えるガラス製の急須など、こだわりの商品を世界から集める。抹茶セットや、とらやのようかんの詰め合わせ、お茶の専門書(英語)などは、ギフトとしても勧めている。日本人に愛顧され、同GMは「茶会でわれわれの最高級品の抹茶を使ってもらいたい。おいしい点茶はお客さんに喜ばれる。日本から取り寄せる必要はなく、ここで、味のいいお茶と、ようかんを手に入れることができる」と、来店を呼び掛ける。
 同社は卸業も行っており、地元の有名日本食レストランや地元とラスベガスの高級ホテル、ニーマンマーカス、他州ではハワイ、アリゾナ、サンフランシスコにも得意先を持つ。商品は、ウエブサイトからオーダーできる。
 営業は火曜から土曜までで、午前10時半から午後6時。日、月曜日が定休。
 THE GREEN TEAIST
 9876 Wilshire Blvd
 Beverly Hills, CA 90210
 (310) 858-8187
 www.thegreenteaist.com

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