新時代を迎えたテレビ視聴者

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 海外で見られる日本のテレビ番組には限りがある。目にする日本の番組はドタバタ・幼稚でただ「お笑い」をとるための番組が目についた。そしてニュースはどのチャンネルも同じ内容を流す。
 帰国して一般の番組を見ると日本でも変わらない。しかし選んで見るとなかなか見応えのある番組がある。昨年からBS放送が正式に始まってチャンネルが広がり、各局さまざまな工夫を凝らした良質な番組が見られるようになった。与えられた番組を漫然と見るのではなく、視聴者が自ら番組を選ぶ時代に入ったのだ。
 中でもNHKは内容が充実しているものがある。民放に比べると番組制作費にかなりの差があるようだ。半官半民で一律に各家庭から視聴料を徴収しているのだからあたりまえだともいえる。
 見応えのあるのは自分勝手な好みだが、日曜美術館。
 単に作品の紹介に留まらず、作者の経歴や意図、その当時の最新技術を生かしながら独自の技法で作り上げた作品を最新の科学技術を駆使して解析する。アーティストの日本人、外国人を問わず、分析で明らかになるその隠れた意図や技法、人知れず挑んださまざまな工夫は、さらに美術鑑賞の意欲をかき立てられる。
 美術鑑賞には解説書など読まず偏見を持たないで自分の感性のみで感じ取る方法もあるが、そこまでの域に達しない私の場合はこの番組の紹介でさらに美術の奥深さを知ることになる。
 いかに伝統の技とはいえ、常に新しい技術を取り入れ新技法に取組む中から人を感動させる芸術が生まれるのだろう。
 他にも「新日本紀行」や「さわやか自然百景」、中でも見逃せないのが「試してガッテン」、立川志の輔と小野文恵のコンビで送る軽妙な司会は、行き届いた調査を基に、笑いを交えながら人の体や病気の仕組みを実にわかりやすく解説する番組で、今までの医学の常識を破り面白くてためになる。
 民放も開局何周年という記念番組やなるほどと感心する番組も多く見かける。
 再度であるが、視聴者が自分の基準を持って主体的に見る時代に入ったといえるのだろう。【若尾龍彦】

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