暑気払い

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 立秋もとうに過ぎて迎えたインディアンサマー。南カリフォルニアは先週、各地で連日カ氏100度(セ氏37・8度)を超えたところが多い。海が近く比較的涼しいサウスベイ地区でも体感温度はインディアンもびっくりという100度超え。
 またこの時季、決まったように毎年発生するのが山火事。空気が乾燥しているところへサンタアナ熱風が吹いて、キャンプ火の不始末、タバコのポイ捨て、落雷、自然発火など原因となる火種は多い。消防士は暑いさなか、重装備で燃えさかる炎と闘っているが、熱気に包まれているのは消防士だけではない。
 今年の夏は世界各所で強烈な熱風が吹いている。イスラム圏各国での反米デモ、尖閣・竹島の領土問題にからむ反日デモ、ギリシャのユーロ圏脱会をめぐる激しい攻防、ロシアの反プーチン運動、福島原発事故にからむ脱原発の世界的なうねりなど、夏の暑さに呼応するかのようだ。
 さらにまた、米大統領選、日本では民主党代表選、自民党総裁選といった熱き戦いがある。個々の社会生活にとっても、モーゲッジや税金の支払いと格闘し、病魔と闘ったり、遺産をめぐる醜い争いに精根を使い果たしたりと、世の動きはさまざま。人間万事塞翁が馬とはいえ、暑い中を人それぞれ悪戦苦闘。心頭滅却すれば火もまた涼し、とはなかなかいかない。
 ならば、いっそ、諸々の火種を消し止めればいいわけで、誤解をおそれず独断と先入観で暑気払いを試みるのも、一つの消夏法。
 反米デモについて言えば、原因とされた映像を破棄し、宗教的な揶揄に対しては言論の自由の対象外とする。それにつけても、世の争いごとの多くは宗教が絡んでいるとは、どうしたことか。
 反日デモに対しては、日本がその正当性を正々堂々と国際社会に主張し、一歩も譲らない毅然とした態度を崩さないこと。
 米大統領選はオバマ、民主党代表は野田佳彦、自民党総裁、つまり、おそらくは次期首相は石破茂で決着させる—と書いてきて、どうやら暑気に当てられたかなと自覚。【石原 嵩】

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