東日本大震災から1年半:ボランティアら現状語る

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震災から1年半を迎え、小東京で催された公開討論会


今年2月に被災地を訪れ、一年後の様子や生存者の声を取材したABC7アンカーのオノさん(左)とパネリスト


 東北地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から1年半を迎えた今月、ジャーナリストやボランティア、心理学者ら6人をパネリストとして迎え、被災地の現状を話し合う公開討論会が9日、小東京のタテウチ・デモクラシー・フォーラムで催された。会場には老若男女150人以上が集まり、被災地の状況への関心の高さを伺わせた。【中村良子、写真も】
 
 パネリスト6人は各自、スライドや映像などを使って被災地での経験や現状を伝えるとともに、1年半が経過した今でも多くの被災者は困難を強いられていると強調。復興には長期的支援が必要であると参加者らに継続的なサポートを呼びかけた。
 パネリストとして参加したのは、ABC7ニュースアンカーのデービッド・オノさん、小説家で元羅府新報英語編集部編集長ナオミ・ヒラハラさん、ドキュメンタリープロデューサーでジャーナリストのダイアン・フカミさん、臨床心理士のサチコ・タキ・リースさん、UCサンタバーバラ校の学生デレク・ヤマシタさん、フォトジャーナリストのダレル・ミホさんの6人。討論会の議長は、大学教授で同時通訳者のティーナ・タジマさんが務めた。
 

震災後の日系人と日本人との絆を描いたドキュメンタリー映画「With Heart and Hope」プロデューサー、フカミさん


 北加日米文化会館の理事を務めるフカミさんは、同会館が震災発生直後から始めた義援金集め運動で総額400万ドルが集まったことに感動。支援者の善意が日本でどのように活用されているのかを確認するだけでなく、自身を含めた日系3世にとって、ルーツ日本と再びつながるきっかけになるのではとドキュメンタリー映画「With Heart and Hope」の撮影を始めた。
 映画は、UCLAの名誉教授ポール・テラサキ博士が運営するテラサキ基金から捻出された費用で21人の学生が被災地を訪れ、被災者と交流しながらボランティア活動をする内容。撮影を通じフカミさんは、東北の人たちの力強さを感じたと述べ、「彼らは震災のことを忘れてほしくないと願っている」と強調。「政府は5年から10年で復興すると言っているが、私にはそうは思えない」と述べ、長期的支援が必要であるとあらためて理解を求めた。
 テラサキ基金を通じ被災地ボランティアを経験した日系5世のヤマシタさんは、震災後に友人とTシャツを販売し寄付金として1万ドルを集めた。被災地で目の当たりにしたものは、地域によって復興状況に差があること、また出会った人たちから聞く壮絶なストーリーに心を動かされたと振り返った。アメリカからボランティアに来たと知り、被災者から感謝され、手土産を渡されることがあるなど、東北の人の優しさや結束力に感動したと経験を話した。
 ユング心理学者のタキ・リースさんは、被災地で心理学者を対象とした講義を開くなど、現在でも支援を続けており、心理学者の立場から被災者の心のケアの重要性をあらためて説いた。
 今年2月に被災地を訪れ、一年後の様子や生存者の声を取材したドキュメンタリーを披露したオノさんは、沿岸に面したカリフォルニアに住むわれわれも学ぶべき要素が多くあると呼びかけた。
 また夏に2週間宮城県石巻市でボランティアしたヒラハラさんが一番驚いたことは、被災者の多くが見ず知らずの自分に自身の壮絶な経験を共有したいと申し出てきたことという。ヒラハラさんは被災地で多くを学んだといい、「ぜひ、実際に被災地に行ってボランティアしてほしい」と参加者に訴えた。
 震災発生以来、被災地に5回足を運んでいるミホさんは、主に福島第一原発事故の影響を懸念。しかしその影響で、多くの日本人が反原発を訴え立ち上がったことを称賛した。また、誰にでも支援は可能だとし、「どんなにささいな支援でも彼らにとっては大きな意味を持つ」と、継続的な支援を呼びかけた。
 公開討論会は、アジアン・アメリカン・ジャーナリスト協会、タテウチ・デモクラシー・フォーラム、災害支援プロジェクト、愛ラブ・ジャパン、羅府新報の協力により実現した。各団体は引き続き義援金集めや支援活動を行っている。

Ai Love Japan
www.AiLoveJapan.org
災害支援プロジェクト
http://dsproject.org
グレース・ミッション・東北石巻
www.gracemission-tohoku.org
北日本地震救済基金
www.kokoro4japan.org

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