ハロウィーンの悲劇

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 今日はハロウィーン。数週間前からゴーストやクモの巣など、工夫を凝らした飾り付けをした家が目立ち始め、スーパーには大きなパンプキンのほか「Trick or Treat」用のキャンディーが山積みされている。仮装をする人はコスチューム選びに余念がなかったのでは。
 しかし、楽しい年間行事のひとつのはずが、ハロウィーンに関しては痛ましい事件が後を絶たない。この時季が来ると思い出すのは服部剛丈君射殺事件だ。
 1992年10月17日、ルイジアナ州に留学していた当時16歳の剛丈君がホストブラザーとハロウィーンパーティーに出かけた際、家を間違え、強盗だと思ったその家に住む男性に射殺された事件だ。その後の裁判で男性は正当防衛が認められ無罪になった。
 この事件を聞き当時、身を守るために銃の所持が認められ、銃が身近にあるアメリカ社会の恐ろしさを幼心に感じた。
 今年は事件から20年が経ち、服部君の両親が追悼式典に出席するため訪米した。米国に送りだした息子を突然失ったご両親を思うといたたまれない。2人は20年間、銃規制を訴える活動を続けている。
 そしてまた今年、ペンシルベニア州でハロウィーンのコスチュームを着た9歳の女の子が、親戚の家の庭先でスカンクに間違えられ銃で撃たれるという事件が起こった。服部君の追悼式典からわずか2日後のことだった。女の子は数発撃たれいまだ重体だという。
 米国ではハロウィーンが近づくと、仮装した人が強盗や侵入者と間違えられ銃で撃たれる事件が度々起きている。
 全米で銃による死亡者数は毎年3万人にものぼるとされ、さらに全米ライフル協会のように銃規制に反対する圧力団体も存在する。銃の所持が法律で許されている限り、いつどこで身に危険が迫るか分らない。7月にコロラド州の映画館で起こった銃乱射事件もまだ記憶に新しい。
 服部君をはじめ、銃の犠牲になった人々の尊い命が無駄にならないよう、市民が安全に暮らせる社会になっていかなければならないと思う。【吉田純子】

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