大統領選挙展望

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 大統領選挙まで残り1カ月を切った。4年前、オバマ大統領が歴史的勝利した時の興奮は、今でも鮮明に覚えている。「Change!」 と「Yes, We Can!」のスローガンで、希望ある新時代到来を予感させた。
 就任後、自動車産業、銀行や金融業界の建て直しに取り組んだ。医療保険制度を改革しアメリカ初の国民保険(オバマ・ケア)を作った。
 大統領任期は4年と定められているが、最初の数年は、前政権が残した負の遺産の後処理だ。具体的に言うと、イラク戦争(2011年12月18日に終結)や未だ続くアフガニスタン戦争、リーマンショックによる金融破綻への対応などだ。外交では覇権主義から、国際協調主義の政策へと転換した。
 最後の1年程は次期再選への選挙活動に力を注ぐ。つまり、大統領としてしっかり実働できるのは2年弱。議会は共和党が多数で、思うように法案が通らない。いわゆるねじれ国会で苦戦が続く。
 アジア系、例えば、日系のエリック・シンセキを退役軍人長官に、中国系のスティーブン・チューをエネルギー長官に、アフリカ系、ヒスパニック系、アメリカ・インディアン系など、幅広いさまざまな人種を重要な役職に任命した。あっという間に4年が経つ。
 確かに期待がかなり高かっただけに、オバマ大統領への物足りなさ、多少の失望感はある。新鮮さも薄れた。アメリカ国民は、短期間での結果を求める。飽きっぽい傾向だ。そういえばノーベル平和賞受賞やビン・ラディン征伐のことも皆忘れているかもしれない。
 第1回目の候補者討論会では、アグレッシブな対抗馬のロムニーに軍配が上がった。アメリカ国民は、力づくでも前へ前へと積極的なリーダーを求めているのだ。経済低迷で不満を募らせている現状、投票者たちは、自分たちの経済が死活問題となっている。外交の経験が浅いロムニーだが、実践的なビジネス経験があるのが強みだ。
 選挙の行方は中間層の支持で一変する。激戦地となるオハイオ州やフロリダ州がカギになると予測される。このまま中途半端で終わるより、2期目で大いなる成果を見せるだろうオバマ大統領の再選を期待するが…。【長土居政史】

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