昇格した会員。前列右から松浦さん、矢野清翠さん、フィッツジェラルドさん、浅和さん、比嘉さん、久保さん。後列右は植野宗師範、矢野芳翠さん、森川会長

連吟を発表する世和原すみさん、児玉春代さん、橋本洋さん

 榧本流米国錦龍吟詠会(森川洸龍会長、6支部、会員約50人)は9月30日、今年最後の大会となる「秋季吟詠大会」を西羅府仏教会で催した。会場に集まった会員は一人ひとり、毎日練習を重ねた吟をステージの上で精いっぱい発表した。
 この日は、兼ねてから交流のある国誠会のメンバーをはじめ、錦友会の会員らが来賓として出席。流派を超え、同じく吟をたしなむもの同士、互いの健闘をたたえ合った。
 あいさつに立った森川会長は、9月2日に行われた国誠会の創立70周年記念大会を振り返り、「素晴らしい吟を聞かせていただき、ありがとうございました」と感謝。これからも、切磋琢磨しながら互いに吟を磨いていきたいと述べた。
 また現在、日本では尖閣問題で中国との友好関係が不安定な状態にあることに触れ、「詩吟の原点である漢詩は中国が発祥の地であり、両国が友好国であってこそ、この芸術が長く続いていくものだろうと思います」と述べ、「政治のことはわれわれには何もできませんが、せめてこの二国間の芸術また文芸である詩吟を後世に継いでもらえるよう、努力していきたいと思います」と話した。
 吟詠大会を前にこの日、植野宗龍宗師範から会員10人の昇格が発表された。昇格が決まったのは、小東京支部の李愛香さん、フォークラム恵香さん、浅和英雲さん、比嘉妙雲さん、平島富翠さん、西羅府支部の矢野芳翠さん、矢野清翠さん、サンファナンド支部のフィッツジェラルド栄翠さん、松浦貞雲さん。また、小東京支部の久保夕龍さんは師範に昇格した。
 詩吟を始めて31年を迎える久保さんは、約3年前から小東京タワーズで生徒の指導にあたる。今年で81歳を迎えたが、「詩吟のおかげで健康」といい、31年経った今でも吟友との交流を楽しんでいるという。この度師範となり、「気持ち新たに、声が出る限り続けたい」と今後の抱負を述べた。
 会員は、吟詠を前に植野宗師範から、「詩吟は練習を重ねることによって上達していくもの。大会の直前に一生懸命やっても伸びるものではない。一日一吟を心がけて」との言葉をもらい、日々練習を重ねてきた吟をそれぞれ力強く発表した。
【中村良子、写真も】

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