歌の仲間たち30人が熱唱:懐メロなどで観衆を魅了

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司会を務めたタック西さん(中央)の「日本列島やり直し音頭」に合わせて踊る出演者

 歌のインストラクター新原由美さんと新原さんの教え子が共演する歌謡ショー「歌の仲間たちと共に」が18日、ホリデーイン・トーレンスで開かれた。歌仲間の生徒30人が演歌や懐かしいメドレーなどを熱唱し、観衆約270人を魅了。毎秋恒例のチャリティーショーは、昨年に次ぎ東日本大震災の被災地復興を支援し、イベント収益から寄付金1000ドルを贈った。
 和食をとりながらのディナーショースタイルの約3時間のステージで、生徒30人はこの1年の練習の成果を発揮した。日本語、英語、スペイン語で、演歌やポップスなど、新旧さまざまなジャンルの約50曲を披露。ソロにデュエット、合唱、ダンスを取り入れるなどスタイルに変化を持たせて、会場を沸かせた。参加者は、1960、70年代の懐かしい曲を久しぶりに聴き、往時を懐かしんで口ずさむ光景が見られた。

東日本大震災の寄付金贈呈式。左から新原さん、岩下久寿・南加県人会協議会会長、西さん

 チャリティーショーは、今年で18回目を迎えた。生徒はアマチュアながら自分たちが歌うことで社会貢献ができることを誇りに思っている。寄付金の贈呈式であいさつに立った岩下寿盛・南加県人会協議会会長は「昨年に次いで寄付金をいただきありがたい」と謝意を表した。震災から1年8カ月が経過したが、依然として多くの避難所生活者がいるとし、継続した支援を訴えた。
 新原さんは、東京音楽大学で音楽理論を学んだ後、五木ひろしや八代亜紀など一流の歌手とステージをともにし、個性を生かすプロの感性の磨き方などを学び取った。実力でしか生き残れない歌謡界の厳しさを知るだけに、素人といえども生徒には厳しく指導し、歌を人に聴かせる意識を持たせている。
 生徒の多くが10年以上習い、一定のテクニックを身に着けているという。だが、向上心にあふれ、難曲にも挑戦し続けている。平均して1回2時間のレッスンのために地元のみならず、遠路リバーサイドやサンバナディノ、サンタバーバラ、ウッドランドヒルズから片道1時間半から2時間運転しトーレンスの教室に通う。他州の人もおり、ミネソタ、ラスベガスからは、電話やスカイプ(無料のインターネット電話)を利用するほどだ。また、日本語が不得手の日系3世、4世も歌詞の意味を理解しながら難しい演歌にも立ち向かっている。

「上を向いて歩こう」の合唱で、会場を練り歩き参加者にマイクを差し出す新原さん

 この1年は、感情表現を重点的に練習を積んできた。「歌詞に込められたメッセージをメロディーに乗せて聴き手に伝える」。新原さんによると、そうするためには感情を使わなければうまく伝わらず、その表現方法はアマとプロに大きな差があると説明する。個々が持つ人間性や温かさなどは「気」の一語に凝縮されているとし、プロは内面から自然に気持ちを発することで、その気を「気迫」に変えて人々の心を打つ。さらに、美空ひばりのような超一流の気迫は、「オーラ」となって観衆を圧倒したと振り返る。生徒には、大声で歌ったり、プロの真似をすることを戒め「アマチュアはアマチュアらしく、飾らずに、ありのままに伝えたい気持ちを表現すれば『オーラ』を発することができる」とアドバイスしている。
 ショーでは、歌詞を間違えたり、音を外したり、タイミングがずれたりするなどのミスもあった。だが、新原さんは「まったく気にしていない。生徒たちは1人として、恐がらないで、素人らしく思い通りに伸び伸びと歌ってくれ、習う側の根性を感じた。よく頑張ってくれた」とたたえた。【永田潤、写真も】

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