深紅の大優勝旗は、沖田委員長から男性軍代表の西さんの手に渡った
 南加日系社会で新春恒例の第42回「米国版紅白歌合戦」(沖田成美実行委員長)が6日、小東京の西本願寺別院で催され、白組が2年ぶりの優勝を飾り昨年の雪辱を果たした。実力者で固め前半を大差のリードで折り返した白組は、紅組の猛追を振り切り、2点という僅差を制した。
「恋のメキシカンロック」に乗って踊る紅組の応援合戦
 米国版紅白歌合戦は、西本願寺を参拝する高齢者のための送迎バンの購入費を集めるために1971年に始まった。チャリティーの趣旨に理解を示すカラオケファンに支えられ、毎年「満員御礼」という根強い人気を誇る。今年も約620人がぎっしりと会場を埋めた。
 総合司会は平山裕子さんが、紅組を佐伯和代さん、白組は西タックさんがそれぞれ司会を務めた。両軍司会者は、味方をべた褒めし、敵軍には冗談交じりにこき下ろす応酬で、笑いを誘いながら場を盛り上げた。
 各組15人の出場者が紅白交互に登場し、日頃鍛えた自慢ののどと、歌に合わせた振りで大観衆を魅了。熱戦を繰り広げ、大きな拍手を浴びた。手作りの舞台セットも本格的だ。「迎春」や「2013」、大きな鳥を描いた背景画、門松、電飾、紙吹雪を駆使し、華やかな舞台を作り上げた。各組の応援合戦は、笑いの渦を巻き起こし、趣向を凝らした演出で両チームが寸劇やダンスを演じ、勝利を目指す自軍を後押しした。
 前半戦を終えた途中審査では、92―76の大差で白組がリード。客席の評価も8人の審査員の集計と同様に白組が優勢と見られた。
白組の応援合戦は、阿波踊りで盛り上げた
 後半は各組、実力者を投入し、紅組は巻き返しを、白組は逃げ切りを図り、両軍一歩も譲ることのない互角の戦いを演じた。白組のとりは小野木千尋さん、大とりは紅組のシンガー・エミさんが務め、出場者30人が歌い終えた。審査の結果は107―105で、白組が僅差で勝利。大優勝旗を奪い返し、通算戦績を20勝22敗と差を縮めた。
 審査員の矢野アケミさん(前全米日系人博物館館長)は、日本語の歌詞は分からないというが「心が十分伝わってきた。演歌が多くて、とても懐かしく感じ、ノスタルジックな気分になれてよかった」と述べた。沖田委員長は、すべてのスタッフに敬意を表し「1年がかりで、準備に取りかかってくれ頭が下がる。お客さんを喜ばせて、すばらしい歌合戦を成功させてくれた」とたたえた。
 歌合戦の収益で購入された送迎バンは、西本願寺から小東京タワーズ、東京ビラ、ボイルハイツの敬老引退者ホームを巡回し、高齢者を乗せ走り回る。【永田潤、写真も】
各組のとりを務める小野木千尋さん(写真左)とシンガー・エミさん(同右)

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