104人が「歓喜の歌」を合唱した第2回「第九演奏会」
 地元ロサンゼルスで年2度の演奏会を開き、徳島県鳴門市での第九演奏会にも参加している日系混声合唱団「LA Daiku(LA第九を歌う会)」は5日、サンゲーブル・ミッション・プレイハウスで、「第九演奏会」を催した。約450人の聴衆を前にベートーベン第9交響曲を披露し、日本から参加した3合唱団の10人と地元のパサデナ・マスター・コラール、LA第九交響楽団との共演で交流を図り新年を飾った。
着物姿で独唱する声楽家の諸田広美さん
 公演は、最初に東京二期会に所属するメゾソプラノの声楽家・諸田広美さんが着物姿で登場。「故郷」「さくらさくら」「落葉松」を独唱し美声を響かせた。同公演のために特別編成されたLA第九交響楽団が第9交響曲の第1楽章から第3楽章までを演奏した後、メンバー104人が「歓喜の歌」を大合唱。日米合わせて6つの音楽団が、演奏会のテーマ「日米を結ぶ音楽の懸け橋」を胸に心を1つにして声を合わせ、スタンディングオベーションを浴びた。
 鳴門「第九を歌う会」で合唱指導をする吉永紀美子さんは、ピアノ演奏者の娘理恵さんと来米した。ともに初の外国での晴れの舞台に興奮気味。すぐ横で歌った米国人のテナーの声量に圧倒され「すばらしい声だった」と評した。大きな拍手を受けて「アットホームな雰囲気で和やかに歌うことができた」と喜んだ。「アメリカ人も第九の合唱を楽しんでいて、日本人と同じ気持ちだということがわかった」と話し、6月の徳島・鳴門で開かれる全日本「第九を歌う会」連合会での同士との再会が楽しみだとした。
 LA Daikuの棚野泰全代表は「2回目の新年第九演奏なので、メンバーは歌詞にある『人類の平和と愛』などの意味を噛み締めて歌うことができたと思う」と説明。「日本からの参加を迎えるのも初めてだったので、交流ができてよかった。新鮮でいい経験になった」と述べた。
 LA Daikuは、昨年に次ぎ3月に東日本大震災の被災地救済チャリティー公演を開く予定で「福島鎮魂歌」の合唱に意欲を示している。また、6月にはパサデナ・マスター・コラールのメンバー17人を含む計64人で訪日し、鳴門での第九演奏会に参加し交流するなど、今年も合唱団が掲げるテーマの「日米の懸け橋」役に徹する。【永田潤、写真も】

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