生死を分ける数十秒

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 来月11日で、世界を震撼させた東日本大震災から丸2年が経つ。発生以来、日本のみならず、世界中がこの未曾有の大地震から多くを学び、今後の安全に生かそうとしている。
 テレビやネットで随時放送されていた地震発生当時の日本の映像で、海外の人がひときわ関心を寄せたのが、地震発生後に震度や震源地などを知らせる「緊急地震速報」の存在。中でも、激しい揺れが到着する前にその大きさを予測し、一般向けに警報を出す「地震早期警報システム」には多くが注目した。
 同システムは、地震発生直後に震源地近くにある地震計で収集された初期微動(P波)のデータを素早く解析し、震源の位置や震源の規模を推定、大きな揺れをもたらす主要波(S波)の到着予測時刻や震度を推算し一般に知らせるというもの。知らせは気象庁がさまざまな媒体を通じ発信。機種によっては携帯やパソコンにも送信可能で、移動中でも情報を得られる。
 震源地からの距離にもよるが、警報の知らせから揺れが到着するまでは数十秒から30秒ほどといい、火を消し、窓を開けて地震後の避難口を確保した後、身の安全を守るには十分な長さだ。鉄道機関はその間に速度を落し安全を確保したり、工場などでは機械制御がなされるなど、その数十秒が生死を分けると言っても過言ではない。
 約800マイルにおよぶ巨大なサンアンドレアス断層があるカリフォルニア州には、この早期警報システムがない。正確にはあるのだが、精度が日本やメキシコに比べ大きく劣る上、集めた情報を一般に知らせる手法が確立されていない。
 サンアンドレアス断層は長いこと移動しておらず、遅かれ早かれ加州に大地震がもたらされるのは周知の事実。これを受け加州のパディヤ上院議員は、8000万ドルをかけ、古くなったシステムを改善する法案を議会に提案した。
 同議員は、州や連邦政府の理解と協力を得るのは厳しいと述べたが、同システムがないことによりもたらされる大地震の被害を考えれば、答えは出ているはずだ。【中村良子】

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