花柳若菜:傘寿祝い記念公演

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清元「青海波」を舞う若菜(右)と山藤実花

 ロサンゼルスで日本舞踊の継承と生徒育成に励む花柳若菜が10日、トーレンス市のアームストロング劇場で傘寿を祝う舞踊会を開催した。弟子たちのほか、この日のために東京から花柳春涛が賛助出演し、80歳の記念舞台に花を添えた。
 18歳で名取を襲名して以来、日本だけでなく世界を舞台に活躍してきた若菜は米テレビ―ショーで振付けを担当したほか、カーネギーホールなどでもレクチャーを行ってきた。

常磐津「三ツ面子守」を踊る花柳若青羅

 ロサンゼルスに移住後、1998年からカリフォルニア州とロサンゼルス市からグラントを受け、日本人、日系人だけでなく、米国人にも日本舞踊を教えている。
 教える上で一番大事にしているのは基本をしっかり教えること。同じ日本人でも日本育ちと米国育ちの人とでは文化の違いがあり、苦労したことも。一方、日本のことをあまり知らない米国人は、教える礼儀作法一つひとつに対しても熱心に覚えようとする真剣さがあり、教え甲斐を感じたという。
 若き日の若菜が好んで踊り、日本各地の海の景色を唄った祝儀曲、清元「青海波」を若菜ほか4人が踊りプログラムは幕を開けた。現在およそ20人の生徒がおり、今回出演したのはそのうちの14人。師匠の80歳を記念する舞台に共に立てるとあり、この日のために厳しい稽古を重ね、その成果をそれぞれが発揮した。
 最後は春涛と若菜が長唄「賤機帯」を披露しフィナーレを飾った。
 演目すべてを終え舞台であいさつに立った若菜は集まった観客に感謝の気持ちを表すとともに、「もっと頑張りたいという気持ちがこみ上げてきた。体の動く限り日本の心を教えていきたい」と述べ会場を沸かせた。
 賛助出演した春涛は「憧れの先輩と80歳のめでたい舞台で共演でき、大変うれしく思う」と喜びを表現し祝福の言葉を送った。同師はトーレンス市と姉妹都市である千葉県柏市で日本舞踊を教えており、この日はトーレンス市から同師に記念品の贈呈も行われた。
 「今の自分を育ててくれた先輩方が上質の日本人だったと強く感じる」。これまでの芸能人生をそう振り返った若菜は、今後も米国で日本舞踊の魅力を多くの人に知ってもらうため精進することを誓った。【吉田純子、写真も】

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