ヒラリー・クリントンの本心

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 オバマ大統領に普天間問題では「トラスト・ミー」と言い、一時は県外移設案を打ち上げ、沖縄県民をぬか喜びさせた鳩山由紀夫元首相。最後の最後では日米政府合意済みの辺野古移設を受け入れた。その鳩山という政治家について、ヒラリー・クリントン前長官はどう見ていたか。
 新書「The Secretary: A Journey with Hillary Clinton from Beirut to the Heart of American Power 」(キム・ガッタス著)にこんなくだりが出てくる。
 「ヒラリー長官は言った。『同じ政治家として、鳩山首相の決断がいかに大変だったかよく分かる。彼の勇気と決断に感謝している』。ヒラリー長官自身、政治家としてこれまで幾多の難しい妥協をしてきた。そうした過去に思いを馳せ、それが今の自分にとってはかけがえのない財産になっていることをかみ締めていた」
 その鳩山氏は、最近のインタビューで、「産軍複合体的なアメリカに安全保障を委ねすぎたときに、日本がどういう道を歩まざるを得なくなるか。(日米同盟のあり方を)真剣に考えなければならない」と言い切っている。(朝日新聞国際版3月22日付)
 鳩山氏は「日米同盟見直し」の確信犯なのである。
 普天間問題では持論を取り下げ、辺野古移設計画に立ち戻った鳩山氏を称賛したヒラリー長官。鳩山氏の本心を鋭く見抜きつつも、表向きには大人の対応をしたのか、あるいは、レバノン生まれの若い著者にはそのへんの機微までは汲み取れなかったのか。30年後に解禁される国務省極秘文書を見るまで「ヒラリーの本心」は分からない。
 国務長官として、4年間に世界を飛び回った距離は95万6733マイル(地球を38周)、訪問国は112カ国、そして今、羽を休めたヒラリー氏だが、周辺は早くも次期大統領選に向けて準備を始めた。ご本人も状況を見極めながらポスト・オバマに意欲を示しているとの憶測は高まるばかりである。【高濱 賛】

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