不都合な「パーツ」

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 紺碧の空が広がるアリゾナ州の町を出発し、LAXに近づく。機内から見下ろすロサンゼルス上空は、淡い黄土色の空気がよどんでいる。いつもは、その下で呼吸しているのかと思うと息が詰まる。
 気象予報士が各地のエアー・クオリティー(大気の汚染度)を毎日レポートしている。これから本格的な夏を迎えて、「スモッグ警報」が出される日も増えるのだろう。
 それでも近年は、排気ガス規制が厳しくなって、工場や車が吐き出す有害物質は減ってきた。連邦レベルでは1970年に議会が「大気清浄法」を制定し、排気ガスの規制値を守れない州に対しては交通運輸関連の補助金を停止。規制値をオーバーしたカリフォルニア州は81年以来、「スモッグチェック・プログラム」を実施している。
 車から排出される有害物質を減らすことは、地上に暮らす動植物にとって良いこと。しかし、炭酸ガスを吸収して酸素を放出する緑色植物の光合成のように、うまいことずくめとはいかないところが規制の難しさ。かなりのお金がかかるのだ。
 加州のスモッグテスト料金は、普通の乗用車で60ドルから100ドル程度。テストを通らなければ修理してから再テスト。いわば追試を受けなければならない。学校の追試なら、採点が甘くなることが多いから、おおむね合格する。
 しかし、スモッグテストは精密機器が行うので情状酌量とはいかない。不合格なら、その車は運転できないから厄介だ。また、古い車だと通常のテスト場ではなく、特別なテスト場で受けるように州当局から指示される。費用はなぜか割高になる。車も人間と同じように、年月が経つにつれて不都合な「パーツ」があちこちに生じてくるというのが理由らしい。
 先月、その特別テスト場へ行った後で分かったことだが、スモッグテストには割引きクーポンがかなり発行されている。smogtips.comなどでみると、最大50%割引きもある。これからテストを受ける人は大いに利用したらよいだろう。【石原 嵩】

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