頼もしい欧州組

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 来年6月に開かれるサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会のアジア最終予選を日本が通過した。本大会出場は初出場から5大会連続、しかも3大会連続で世界最速というからアジア最強の名をほしいままにしている。だが、当の選手にとっては、予選は正に「通過」点に過ぎないようで、列強の居並ぶ欧州、南米に大差で力が劣るアジアの頂点だけでは飽き足らず、世界制覇を目指していて頼もしい。「勝って兜の緒を締めよ」という諺を実践しているようで、誰が見てもかっこいい。
 近年の日本サッカーの躍進は、若手の台頭にある。その原動力が「欧州組」と呼ばれるヨーロッパ各国でプレーする主力メンバーであることに疑う余地はない。近頃の日本の若者は内向的だと心配される中、若くして次々に日本を飛び出している。
 言葉、食事、文化など生活が、がらりと変わる異国に渡り張り合う。「言葉の壁」と恐れられるが、この方たちには無縁のようだ。通訳を付けず、英語にイタリア語、ドイツ語、オランダ語などをいとも簡単に修得してチームに溶け込んでいる。インタビューでも現地の言葉で堂々と受け答えをし、冗談まで言ってのけ感心する。
 各国の強豪クラブチームでは、世界屈指のスター選手らに揉まれ、技術、精神面ともに磨きをかけている。勝つ術を覚え、幾人かは優勝を経験。これらが日本代表として帰って来れば、チーム力はいやが上にも高まる。
 先の試合では、終盤で先制点を許し敗色ムードの逆境でも最後まで諦めず、終了間際のロスタイムの土壇場で同点に追い付き引き分けに持ち込んだ。祈る思いで「ニッポン」と大声援を送った全国のサポーターは、劇的な本大会の出場決定に狂喜し、橋の欄干から川に飛び込んだり、信号待ちの車の上に飛び乗ったり、羽目を外した不届き者が一部いた。お祭り騒ぎで済めばかわいいが、収拾がつかず機動隊が動員されるほど暴徒化するフーリガンのようになってはならない。これだけは、欧州に倣ってはならない。【永田 潤】

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