チリも積もれば山となる?

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 国立森林公園としては全米で最も入園者数が多いロサンゼルス北東に広がるエンジェルス国立森林公園。ピクニック、ハイキング、キャンピング、フィッシングなどで年間約300万人が訪れる人気公園(2010年森林サービス局調べ)だが、放棄されるゴミの量も半端じゃない。
 自然汚染、環境破壊が心配されているものの、予算カットにより十分な対策がとれず当局は頭を抱えるばかり。利用者のマナー向上は期待薄で、頼みはボランティアによる清掃活動と寄付金。
 なんとも心もとない現状だが、日本の霊峰富士山も似たような状況。遠くから眺める姿は確かに美しい富士山も、『夜目遠目笠の内』の例外とはなりえない。もう40年も前になるが、実際に登ってみると、当時でもいたるところにゴミが散らかっていた。世界文化遺産に登録された現在は、登山者も急増して年間約40万人になるというから、環境保全が喫緊な問題に。
 そこで今夏、試験的に導入されたのが「入山料」。1人1000円の任意徴収。ご承知のように、富士登山には山梨県側の吉田口、静岡県側の富士宮、御殿場、須走の4ルートがあり、登山口から山頂までは最短の富士宮ルートでも6時間以上かかる。途中の水分、食べ物の補給はどうしても欠かせない。
 飲食すればペットボトルや缶、包み紙などの「ゴミ」がでる。それをそのまま持ち帰れば、山は汚れないのだけれど、公徳心に欠ける人はどこにでもいる。入山料も結構だが、学校や家庭でのマナー教育、啓発はもっと大切だろう。
 入山料(登山料)そのものは世界の山々で徴収されていて、特に違和感はない。最高峰のエベレストは入山料も破格で1人1万ドル(チベット側)、2万5000ドル(ネパール側)。2人以上にはグループ割引もある。南米最高峰のアコンカグア山は1000ドル、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ山は500ドル、北米最高峰のマッキンリー山は150ドルだ。
 環境破壊を防ぐためにはお金がかかるとはいえ、森林公園でも富士山でも、自分が来たときよりゴミ一つだけでもきれいにして帰ろう、という気持ちに一人ひとりがなれば、お金をかけなくてもすむことである。【石原 嵩】

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