フェイスブック初体験

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 「フェイスブック、やらない?」「うーん」躊躇(ちゅうちょ)した。FBとは若者の交流サイトという固定観念がある。仕事仲間、絵や歌の仲間、長年の親友。交友は広く深く恵まれている。いまさらFBなんて。
 「それがいけない。精神の若さの秘訣は、新しいことを学ぶこと」高邁(こうまい)で、おせっかいを自称する友人は熱心に勧めてくれる。で、重い腰をあげた。「人もすなるFBなるものを、我もせんとて、するなり」やれやれ。
 最初はなにがなんだかわからない。やり方を子供に何度も聞いたので、何度教えたらわかるのかと、どなられる始末である。それでも、失敗を繰り返したあとに、さすがに写真やコメントをアップできるようになった。するとどうでしょう。今度はこれが結構面白いのです。「友達」という仲間のサイトを開けると、いろいろな情報がのぞける。公開日記ふう、家族の近況報告、時事評、世情への意見交換、短い文章の発表。多様な目的に使われている。文章の読み書きが好きな人にとって、これはちと危険な麻薬にもなりかねない。朝から晩まで携帯片手にFBのコメントの返信で一日が過ぎることも。現実世界はそれなりに厳しいから、仲間同士でお話できるFB世界に逃避したい誘惑にかられる。
 反対に、助けられることもあった。先日、帯状疱疹(シングル)という病気になった。赤黒い湿疹が身体を這い、これがシクシクと痛い。すると「私の場合はこうでした」と、さまざまななまの声や体験談が日米からどっとFB上に寄せられたのだ。これが大変役に立ち、助けられもした。発症から沈静まで2週間くらいかかるらしい。口こみ情報のおかげで、全体像が把握でき、先行きが予測できたのはありがたかった。不安がない。おかげで床にふせることなく、痛み止めを飲みながら仕事も続けられた。
 テクノロジーの進歩はやまない。抗(あらが)えないものなら、自分が変わる以外ない。まずは試し、利用し、必要な範囲で生活に役立てたい。ハイテクは手段であって、目的ではない。しかし、テクノロジーを使いこなすデジタルシニアは近未来のシニア生活を確実に変えてゆくだろう。【萩野千鶴子】

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