教科書に反対もいいけれど

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 かなり前になるが、マーケットでの買い物帰り、女性から声をかけられた。「教科書に同性愛のことが書かれているのが子どもの教育に悪いから反対の署名をください」というのである。
 僕ら夫婦が「別に良いじゃないか」と言うと、目が真ん丸になって「良いわけないじゃない、子供たちが影響を受けたらどうするの」とおっしゃる。
 そっちのほうの知識はないが、はたして影響を受けるようなことだろうか。はたしてそれが悪いことなのだろうか。
 心理学的とか生理学的とかいろいろ理由があるのだろうけど、本人がGLBT(gay, lesbian, bisexual, and transgender)の場合、無理やり変更は出来ないと思う。親思いの子どもならその事実を隠して「良い子」を演じるかもしれない。また彼らを「正しい道(?)」へ導くセラピーなどがあるとも聞いた。が、当人にとっては相当にストレスがかかるのではと想像に難くない。
 前述の母親は頭から「悪い」と信じているようだ。その時は時間がなくてサヨナラしたが、多分これは想像だが、彼らが行っている教会などの教義に反すると言われそれを信じているのだろう。数年前の同性婚に反対していたグループの一部は生理的に受け入れられない人たちだが、大半は宗教的に受け入れられない人たちのようだったから。
 ずっと以前、オウム真理教がニュースをにぎわせ、多くの人が自分の子どもにはその手のニュースは見せないと言っていたらしい。日本にいる姉は子どもを信頼していたのかどうか「ニュースや情報を見せないと何がどう悪いのか、なぜそうなったのか分からないじゃない」と言って一緒に見たと言っていた。
 「知る権利」などというつもりはないが、ただ、同性愛が良い悪いという前にまず知らなければいけないのでは。教科書に掲載するのはそういった観点からいいと思った。ここでしっかり教えることで同性愛者に対する「いじめ」「ヘイトクライム」などが減少することもあるのでは、と思うのは高望みだろうか。【徳永憲治】

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