東京五輪の感動

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 2020年夏季オリンピック、パラリンピックの東京開催が決まった。
 今から49年前の1964年、アジアで初の開催となった東京オリンピック、パラリンピックは戦後の混乱から復興を遂げつつあった日本にとって、再び国際社会の仲間入りをする重要な節目の役割をはたした。
 私は当時、20代前半の若さだったが、あの時の感動はいまだに忘れられぬものであり、私のその後の人生にも公私にわたり、大きく影響をおよぼした。
 私が晴れて社会人としての第一歩を踏み出したのは1961年だった。この時就職した時計会社が東京オリンピックの公式計時を担当することとなり、それまで世界で使用されてきた機械式のストップウォッチに代わって精度の高いクオーツ式の電子計測装置を開発した。
 学校を卒業したばかりの事務方の私だったが、それでも自分たちの仕事が東京オリンピック成否の鍵を握っているとの認識で心引き締まる思いだったことを鮮明に記憶している。
 現在、私はアメリカに滞在しているが、もとはといえばその時同時に開発したプリンターをもとに立ち上げた米国法人への駐在からなので、私が今アメリカに滞在しているのも東京オリンピックのおかげということだ。
 プライベートの面でも、若気のいたりというか、いろいろ思い出づくりをした。そのひとつがマラソンコースを実際に選手と一緒に走ったことだ。大会直前、当時住んでいた諏訪市(長野県)から通勤用の自転車で甲州街道(国道20号)を東京まで走り、途中、カヌー競技場の相模湖、マラソンと競歩のコースを実際に自転車で通過した。
 あれからほぼ半世紀、今の日本人の多くは日本での夏季オリンピックは未体験なのだ。目の前で繰り広げられる感動は体験しないと分からないだろう。多くの日本人は再び東京であの感動を体験できるのだ。そのためにも7年後にあわせて今から何か記念になることを計画してみたらどうだろうか。
 日本は礼節ともてなしを重んずる国だ。国家、国民として恥ずかしくない大会とするため、この機会になお一層、民度の高い国づくりに努めよう。【河合将介】

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