おめでとう、野茂さん

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 ロサンゼルスの日系社会に多大な影響を与えたあのお方の吉報が入ってきた。ドジャースで鮮烈な大リーグデビューを果たし、新人賞と奪三振王に輝いた野茂英雄さんが、日本の野球殿堂入りを果たしたのだ。米球界に旋風を巻き起こした大活躍はファンの脳裏から離れず、地元には依然、崇拝者が多い。このコラムを通じて読者の皆さんと喜びを共有でき、ライターとして冥利に尽きる。
 野茂さんは昨年、米国でも日本人で初めて候補となったものの、殿堂入りは困難とされ、先日の発表では、やはり入ることはなかった。奪三振王、ノーヒッターをそれぞれ2回、そして日本選手の先駆者としての功績は評価してもらえず、通算123勝では300勝以上を挙げた他2人の大投手と、521本塁打を打ったスラッガーに、かなうはずはなかった。
 今回の日本の発表でも、勝利数の少なさをずっと心配していたが、晴れて決まってほっとした。日本でプレーしたのは5年ばかりなので、勝ち星はわずか78。本人もそれを承知で期待せずまた、候補入りしたことも知らなかったといい「驚いている」とは、率直な感想だろう。おまけに史上最年少というから、いつもの照れ屋さんも「評価してもらい、うれしいし、光栄」と、素直に喜び、野球少年のような輝く笑顔が印象的だ。
 大リーグ挑戦は当時、前例がなかったため、日本を突然飛び出して、プロ野球界に別れを告げる形となった。だが、日本は見捨てることはしなかった。米国が頑なに認めようとしない日米通算で挙げた201勝で、名球会はパイオニアを迎え入れた。今回の殿堂入りも日本の野球界の発展に大きな功績を残したことを評価。さまざまな問題を抱える日本の野球界を見直すことができうれしい。
 野茂さんには、昨年の長嶋茂雄さん、松井秀樹さんが同時受賞した国民栄誉賞にも期待がかかる。そこで気になるのが、その誉れ高き賞を辞退したことのあるイチロー選手の今季だ。現役選手の将来の殿堂入りを予想するのは、失礼極まりないが、イチローは日米両国で入るに違いない。野茂さんの朗報が、イチローや他の全スポーツ選手に勇気を与えるものと祈りたい。
 おめでとう、野茂さん。【永田 潤】

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