ケイタイ依存症候群かな?!

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 謹んで新春のお喜びを申し上げます。
 いったいに、年があらたまるということは、今年こそ何か新しい良いことが起きるのではないかという漠然とした期待感を、なぜかいだかせます。しかしながら、過ぎ去りし日々歳月を振り返ってみても、特段、驚喜するような出来事に出会っていないのが私たちの普通の生活なのだと思います。
 中にはこの世の春を謳歌された人もいらっしゃるとは思いますが、人生、楽あれば苦ありですし、歳々年々人同じからずですから、これまであまり良いことに恵まれていなかった人は、「今年こそは」に期待してはいかがでしょうか。
 日本人は「節目をたいせつに」とか「折り目正しく」などというように、物事の「区切り」を大切にしてきました。アメリカに移り住んでも、正月は家族の健康や安全を祈る大切な年中行事の一つとして、多くの日系家庭ではお雑煮やお節料理を食べて、昔ながらの五穀豊穣を祈りつつ、新年を祝うという風習を大切にしています。
 「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」で、草花は毎年決まって同じように咲くのですが、私たちのまわりで見かける人は毎年同じ人たちとはかぎりません。「歳月人を待たず」ともいうように、年月が経つと人の姿も変わってくるものです。それが自然の摂理というものなのです。自然に逆らわずに、季節ごとの節目を尊重して日々を送ることの大切さを、これまで多くの事象を通して私たちは体験し、学んできました。
 日の出とともに起き、日が沈むと就寝するというのが太古からの一日の生活パターンでしたが、今日では人びとの生活は歳歳年年同じからずで、まさに多種多様。身近な例を挙げれば、若い人を対象とした世論調査で「朝、目が覚めてから最初にすることはなんですか?」という質問があります。これに対して、最も多かったのが「スマートフォン(多機能携帯電話)を見る」(33%)で、「テレビをつける」(23%)が2番。起床後は洗顔歯磨きよりも、まずはスマホを手にする人が多いのも、時代の流れなのでしょう。
 また、朝のインターネット利用スタイルでは、「ニュースサイトの閲覧」(58%)がトップで、「メールのチェック」(52%)、「フェイスブックやツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の閲覧」(49%)と続いています。
 こうした傾向に対して、中高生約1万8000人を対象に大規模調査を実施した専門家は、「携帯電話を使う頻度が高いほど、心の健康状態に悪い傾向がみられる」との結果を、専門誌に発表。携帯電話を夜間に使う生徒は睡眠時間が通常より1時間ほど短くなっていて、睡眠不足が心の健康度低下につながっているとし、メンタルヘルスの観点から「ケータイ依存」に警鐘を鳴らしています。
 一方で、米ハイテク調査会社の発表によると、世界の携帯電話などワイヤレス(無線通信)機器加入件数がついに50億件に達しました。普及率は世界全人口の実に73・4%に相当します。こうした著しい無線通信の普及について「技術の歴史上、最も特筆すべき現象」であり、携帯端末は「今や食料、衣料、住居などと同レベルの基本的な生活必需品になった」と同社は強調しています。
 報告書によると、世界の無線通信機器加入件数は2008年に39億件、09年に45億件を突破。11年には50億7000万件となり、今年中に64億件超へとさらに増える見通しです。
 加入率を地域別にみると、アフリカや中東地域では50%程度なのに対し、複数の携帯端末を所有している人が多い欧米地域では157.6%と高くなっています。
 こうしたデータを見るまでもなく、ちょっと周囲を見回せば猫も杓子もスマホを片手に巧みに指を動かしている人がいっぱい。なかには小さなキーボード専用の打ち込みペンを利用している人もいて、日進月歩の携帯端末はこれからも歳々年々同じからずの様相を見せるのは火を見るより明らかと言えるでしょう。
 思えば、本紙の新年懸賞文芸でも応募作品の大多数がコンピューターに原稿を打ち込んで作品を仕上げています。なかには80歳を超えた応募者もコンピューターを使用して作品をまとめていらっしゃいます。その努力と熱意には敬意を表するのみです。きっと、優しいお孫さんにでも教わりながら操作法をマスターされたのではと勝手に想像を膨らませて、ほほえましくも嬉しく感じ入っております。
 さあ、2014年、午年。皆さまにとりましても跳躍の年でありますように!【石原 嵩】

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