ゴジラ映画6作品を手掛けた特撮監督

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川北紘一監督

川北紘一監督

 「特撮の基本は、アナログ」。「アナログを分かってないと、いい映画はできない」と言い切る。かといって、最新のデジタル、CGを否定するわけではない。手作りのアナログを軸に「デジタルで効率よく補完する」。時代に逆らうことはない。

 東宝に入社し、円谷英二、本多猪四郎という世界に名の知れた監督の撮影助手を務め、また黒澤明の作品にもかかわった。これら巨匠は「仕事に厳しい職人で、すごい人たちにお世話になった」と恩に着る。
 特撮監督の役割を「映画監督と切磋琢磨して、想像力を生かしてドラマチックに作り上げること」。特撮の醍醐味は「単なる撮影なら実景で撮ればいい。怪獣などいろんな物を置くことで、われわれの想像を超えた映像をクリエイトすることができる」と語る。
 社会性のあるストーリー、独創性のあるアイデア、特撮を駆使した日本の「怪獣文化」に対し、「アメリカは恐竜文化」だと指摘。「怪獣映画は何でもあり」という自由な発想を持ち続け、独特の光線を作り出したり、ゴジラの歯を2列にするなど工夫を重ねてきた。
 今年はゴジラ生誕60周年を迎え、ハリウッド版が制作された。久々のゴジラ映画に「(復活の)いい機会になればいい。一ゴジラファンとして楽しみ」と期待を寄せる。こちらは、すべてCG制作のようだが「それが怪獣映画の生きる道」と捉える。
 全米各所のゴジラフェスタに招かれ、熱烈な歓迎を受けている。「アメリカに呼ばれるのは、とても光栄なこと。日本よりも熱狂的で、いつまでもゴジラを大事にしてくれててうれしい」といい、ファンへの返礼は数百枚に上るサインだ。
 現在は、大阪芸大で客員教授を務め、デジタル世代の若者にアナログ特撮の基礎を叩き込む。「アナログをしっかりと抑えて、自分たちで新しいデジタル特撮を創ってほしい」と望み、アメリカに奪われつつある、かつての日本のお家芸「特撮」の再興を切に願う。【永田潤、写真も】

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