野生動物との共存

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 サンタモニカ・マウンテンに囲まれた自然豊かな閑静な住宅街、パシフィック・パリセーズに住む友人から、「愛犬がコヨーテに襲われた」と、背筋が凍るような連絡が入った。
 散歩中、彼女の左前を歩いていた愛犬が、道端の臭いを嗅ごうとほんの数秒、彼女の後ろに回った瞬間の出来事だった。静かな住宅街に響きわたった愛犬の悲鳴に振り向くと、コヨーテの姿があったという。
 いつから後をつけられていたのか分からないというが、幸いにも傷は首を噛まれた際についた擦り傷で済んだという。しかし伝染病や狂犬病などの恐れもあるため、すぐに獣医に見てもらうよう促した。
 このような話は決して珍しくない。ロサンゼルス郡にはコヨーテをはじめ、マウンテン・ライオンや熊、鹿など多くの野生動物が生息し、餌を求めて住宅街に出没することも多々ある。リスやネズミ、ウサギなどを捕まえて食していることから、飼い犬や猫などを捕獲することもある。
 野生動物の保護管理を管轄する加州魚類野生生物局(Fish and Wildlife)によると、コヨーテは本来臆病な性質だが、南加に生息するコヨーテは比較的人間に馴れており、まれに子どもなどを襲うこともあるという。最近では、2013年にオレンジ郡サイプレスで2歳の子どもがコヨーテに襲われ、茂みに引きずり込まれそうになった事件が発生している。
 同局では、コヨーテに遭遇した場合の注意事項として次のことを呼びかけている▽逃げない▽背中を向けない▽距離を保つ▽アイコンタクトをする▽棒などを利用し、自分を大きく見せる―。また、日ごろから▽野生動物の餌付けはしない▽庭などに食べ物や水を残さない▽地面に落ちたフルーツなどはすぐに破棄する▽子どもやペットから目を離さない▽ごみ箱の蓋は必ず閉める▽夜間ペットを庭に放し飼いにしない―。
 野生動物の生息地に侵略したのはわれわれ人間。互いが健全な関係を保ち、共存できるよう、しっかりと対処法やルールを学び、守っていく必要がある。【中村良子】

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