「ガーデナー川柳」

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 南加庭園業連盟の新年会に参加した。日系社会の新年会シーズンでいろいろな新年会に出席する中で同連盟の新年会は毎年出来る限り参加している。日本人庭園業者の歴史は100年を超す南加の日本人移民史の中枢だ。そこに首を突っ込むうちに8年前に関三脚さんが戦前戦後の日系ガーデナーたちが残した川柳を集め編纂した本「ガーデナー風雲録」を知った。これは日本人そのものを活写した金字塔と思った。ガーデナーたちの川柳に見る100年を超す喜怒哀楽の生活史、そこから浮かび上がるのはガーデナーだけでなく正に日本人の民族性と資質だ。
 収容所後の最多期に日本人ガーデナーは約8千人、男子の8割が従事した時期があるという。教養豊かな一流文化人でも偏見や差別の困難な環境の中をガーデナーの職で道を切り開いた先人たち。逆境の中にも日本人の誇りを忘れず、勤勉、正直、忍耐、誠実、努力、研究心、技術力、教育熱心など日本人の国民的資質を発揮し日本人の信用の土台を築き地位を向上させた。
 後進のわれわれは先人が敷いたレールに乗って楽々と生活する。誰が苦労してレールを敷いてくれたのか、思いを致さねばと思う。
 僕は自分のパサデナセミナー会にこの7年で2回ほど関さんを講師としてお招きして庭園業連盟ビルの大部屋をお借りしてセミナーを開いた。日本人仲間に先人たちの涙と笑いの苦闘と努力が今のわれわれ新一世の土台につながっていることを感じてほしいと思った。主張社会の米国で先輩日本人たちが寡黙であったため正当な業績や社会的評価が与えられなかったことを知ろう。
 関さんの本から僕が選んだ川柳を紹介してわれわれの同胞先人たちの民間史から日本人の骨格を味わっていただければと思う。
 ▽秀才も使ってくれぬ皮膚の色▽祖国への誇りを胸に作業服▽一本のつつじにありったけの祖国愛▽大陸に土と化す身に悔いがなし▽パワモアの上げ下ろしにも歳を知る▽後ろ手を孫が真似して庭眺め▽終生の仕事と思う草を刈り。僕の選ぶ最後の句、「いずれ皆国籍問わぬ土になる」
【半田俊夫】

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