(前列左から)「香」号に昇格した児玉さんと世知原さん、「皆伝」が与えられた秦さん、「香」号に昇格した平江さん。後列右から植野宗監、オレンジ支部の田村師範、後藤会長
(前列左から)「香」号に昇格した児玉さんと世知原さん、「皆伝」が与えられた秦さん、「香」号に昇格した平江さん。後列右から植野宗監、オレンジ支部の田村師範、後藤会長

来賓あいさつに立つ国誠会の西川会長
来賓あいさつに立つ国誠会の西川会長

 昨年創立10周年を迎えた榧本流米国錦龍吟詠会(後藤穣叡会長)は22日、「春季吟詠大会」を西羅府仏教会の社交ホールで催した。会員は、日々励んできた練習の成果を発揮するとともに、他支部の師範や会員、また他流派の師範による吟に耳を傾け、吟の奥深さを学んだ。

 森川洸龍師範の司会の下、西羅府仏教会の宇宿文彰開教師に続き後藤会長がステージに立ち、「皆さんのおかげで錦龍会も11年目を迎えることができた」と周りの協力に感謝。来賓あいさつに立った羅府国誠流詩吟会の西川国順会長は、「他流派の大会に参加し、吟ずるというのは結構根性がいります。やはり、常日ごろのお稽古が大切」と述べ、「吟にも心にも、一本の筋をぴしっと通して軸にぶれのない生き方を目指したい」と吟友に語りかけた。錦龍会の植野宗龍宗監は、時代の変化などから吟をたしなむ人が減ってきていることに触れ、「せめて自分が学んできた吟を後世に残したい気持ちでいっぱい」と話し、会員にも吟道に精進するよう諭した。
 大会は、大山桂龍師範先導による「錦龍吟詠会会詩」斉唱で始まり、会員吟詠、来賓吟詠、錦龍会指導者吟詠と続いた。

「海南行」を披露したフィッツジェラルドさん
「海南行」を披露したフィッツジェラルドさん

 会員吟詠では、後藤師範のもとで練習に励むダグラス・フィッツジェラルドさんの「海南行」を筆頭に、13吟士がステージ上で堂々と吟じ、休憩を挟んで開催された第2部の来賓吟詠では、国誠会の吟士7人が吟友である錦龍会に敬意を示し、詩吟を披露。錦龍会の会員は流派独自の節調を肌で感じた。
 第3部の錦龍会指導者吟詠では、9人の師範および総監植野宗龍氏が6~8行の吟を披露。先代宗家である榧本観水氏は琵琶奏者であったことから、この日の締めを務めた植野宗監は、琵琶吟特有の和歌を力強く吟じ、会員に和歌の入った吟の手本を示した。
 この日はまた、昇格者への証書授与式も行われた。「香」号に昇格したのは、オレンジ支部で田村穂龍師範のもと練習に励む平江光香さん、世知原好香さん、児玉春香さんの3人。また、西羅府支部の秦峰岳さんには「皆伝」が与えられた。
 同会は2004年、観水流米国錦友吟詩会から分離し、初代宗家榧本錦龍師の勝子夫人を名誉会長に、植野宗龍師を総監に迎え、「錦龍会」として創立。2013年に南加詩吟連盟に加盟した。
【中村良子、写真も】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *