スポーツを読む

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 スポーツの真の楽しみは、実際にゲームに参加するか、観戦することだと思う。が、多くの人々は、その結果や経過を見たり、読んだりしているに過ぎない。それでも感激したり、興奮させられたり、時には人生の指針を与えられたりもするのはなぜだろうか。
 田中将大に調子がもどってきたと聞いてほっとしていた矢先、今度は右手首の故障で15日間の故障者リスト入りに。以前傷めた右肘に異常はないとはいえ、遠からず手術することになるかもしれない。
 去年、大リーグ入りして12勝4敗と活躍していた田中だが、3カ月めに右肘の靱帯が部分断裂。それを受けてダルビッシュは、「中4日の登板間隔は短すぎる、登板間隔をあければ、靱帯の炎症もクリーンにとれる」と6人制のローテーションを訴え、肘痛が続出する投手の登板間隔に警鐘を鳴らした。この提言はMLBをも動かしたと聞く。
 ダルといえば、ヒョロリと背が高く、首が長くてその上に小さな顔が乗っかっていたアンバランスな高校球児の印象がある。数年で今のようになるとは想像もできなかった。大リーガーの中にあっても引けを取らないその体作りに相当な努力を要したらしい。「今でも食べる事はキライだ」という彼の言からも、それが並々ならぬことが分かる。
 そのダルでさえ、靱帯断裂は避けられず、トミー・ジョン手術(損傷した靱帯を切除し、別の部位から腱を移植する)を受けることになった現状がある。
 ダルはブログで手術前日の心境を語っている。「手術をしても百パーセント帰ってこられる訳でない。今日で野球人生が終わるかも知れない、が心は平静である」と。そのいさぎよさと覚悟に胸を突かれた。20歳のときに決めた事があるという。「いつ終ってもいいように、どんなことにも妥協だけはしないでおこう」これが彼の生き方を貫いているのだ。これを、多くの若者に読ませてやりたいと思った。特に遠征先の韓国で集団万引したという29人もの高校生サッカー部員たちに。
 「健全な身体には健全な精神が宿る」と思っている。スポーツマンが注目と尊敬を受けるのは、その所以ではないだろうか。
 それにしても、日本人投手二人の1年もの不在は、ファンでなくとも寂しい限りである。【中島千絵】

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